水沼貴史です。早いもので、欧州サッカーの2022-23シーズンも折り返し地点を迎えています。そこで、今回はプレミアリーグの前半戦の振り返りと、後半戦の見どころについて少々お話をしたいと思います。
W杯があるシーズンなのでよりタイトとなり、どのチームにとっても非常に難しいシーズンとなっているであろうプレミアリーグ。そんな今季のプレミアリーグを語る上で、欠かせないのがアーセナルです。
近年は苦しい時期が続いていたアーセナルですが、今季はここまで19試合を消化して16勝2分1敗の勝ち点50。黒星がわずかに1つで、1試合消化が多い2位マンチェスター・シティに勝ち点差「5」をつけて首位に立っているのです。3位ニューカッスル、4位マンチェスター・ユナイテッドとはすでに11ポイントも差があり、アーセナルを追いかけられるであろうクラブは、すでにシティくらい。ミケル・アルテタ体制4年目にして、素晴らしいシーズンを送っています。
中でも、今季はFWブカヨ・サカが絶好調。W杯のピッチに立って自信をつけたこともあるでしょうが、タフなプレミアリーグでも無双状態となっています。ボールを取られないような身体の使い方もできるようになりましたし、凄みがより一層増しました。なかなか止めることのできない選手になっていると思います。
また、今季はチームとしても非常に成長を感じられます。アルテタが指揮官になって以降、若い選手たちが多く起用されてきました。当然、成長過程のチームには若い選手たちに「経験を積ませなければならない」や「自信をつけさせなければならない」など、多くの課題がありました。それらを一段階クリアし、自信が確信へと変わっていっている時期に来ているように思いますね。
勝者のメンタリティなど、若さによる勢いだけではない部分も見えてきています。なので、非常に粘り強い戦いができていますし、最後の最後できっちり勝ち切れる展開も多くなりました。要所要所で選手同士がコミュニケーションをとる場面も多く、チーム内の雰囲気も抜群。今冬の移籍市場ではブライトンからFWレアンドロ・トロサールを獲得しましたし、優勝争いを行う上で不安材料があるとすれば、怪我人が相次いでしまわないかぐらいですかね。