1試合16.8本もシュート打たれながら“プレミア最少失点”の不思議 体を張りまくる青き壁

忙しいエヴァートン守備陣 photo/Getty Images

必死に体を張る守備は厄介だ

今季ここまでのプレミアリーグで最も失点が少ないのは、意外にもエヴァートンだ。エヴァートンといえば昨季は残留争いに巻き込まれ、終盤の粘りで何とか16位でフィニッシュ。フランク・ランパード率いるチームは何とかプレミア残留を決めた。

そのチームが最少失点とは驚きだが、チーム全体が必死に体を張っているのが大きな理由だろう。1試合平均被シュート数は16.8本となっており、これはノッティンガム・フォレストの17本に次ぐワースト2位の数字だ。セーフティに守れているわけではなく、対戦相手にはかなりシュートを許している。

しかし、体は張っている。ここまでシュートブロック数はリーグトップとなる39回を記録しており、このうちDFジェイムズ・ターコウスキがリーグトップとなる16回もシュートブロックしている。
さらに守護神ジョーダン・ピックフォードがリーグ2位となる31本のセービングを記録しており、イングランド代表の守護神でもあるピックフォードの頑張りは大きい。セービング数トップはノッティンガム・フォレストのディーン・ヘンダーソン(32回)とはなっているが、出場試合数はピックフォードの方が1試合少ない。実質ピックフォードはここまでプレミアで最も忙しいGKと言っていいだろう。

チームとしてポゼッション率はリーグ16番目の42.4%で、得点も7ゴールしか奪えていない。リーグ順位は11位と微妙な位置にあり、今季も安心して見ていられる状況ではない。一つ躓けば残留争いに巻き込まれる可能性もあるだろう。

それでも体を張ってリーグ最少の7失点に抑えているのは見事で、この粘りは終盤戦に効いてくるだろう。どこまで失点数を減らせるかも注目で、ここまでのエヴァートンは少し変わった角度から面白いチームとなっている(データは『WhoScored』より)。

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