リヴァプールの様子がおかしい。プレミアでは2勝3分1敗の7位で、首位のアーセナルとはすでに6ポイントの差がある。CLではナポリと対戦し、1-4の大敗を喫してしまった。ナポリも力のあるチームではあるが、ここまで大量失点を喫するリヴァプールは珍しい。
この不調の原因は怪我人の多さだろう。とくに中盤は人がおらず、ナポリ戦はジェイムズ・ミルナーとハーヴェイ・エリオットがインサイドハーフを務めた。
英『The Athletic』ではナポリ戦での敗戦の要因を考察しており、リヴァプールの強みであったハイプレスが機能していないと分析している。
確かに強い時のリヴァプールは前線からのハイプレスで相手のビルドアップを乱し、そこで生まれたミスを確実に決めきるチームだ。そのハイプレスの圧力は世界でも屈指のものであり、近年の好成績を支えた。
ハイプレスの強度低下は中盤の人材不足が引き起こしていると同氏は分析する。エリオット、ミルナーでは激しさも狡猾さも足りないということだろう。またハイプレスは消耗する戦術であり、2人で週2試合開催される強度の高いゲームでハイパフォーマンスを披露するのは無理だ。データでいえば20-21シーズンにアタッキングサードでかけたプレッシャーの数は90分あたり平均44.8回だったが、今季はわずか6試合で32.8回に減少している。
ハイプレス・ハイラインはどちらも高いレベルでなければ機能しない。実際にリヴァプールのハイプレスは機能しておらず、ハイラインとなっている最終ラインが狙われている。ナポリ戦ではジョー・ゴメスがボールコントロールでミスを犯し、失点に関与してしまった。
ナポリ戦でPKを献上してしまったフィルジル・ファン・ダイクのパフォーマンス低下を同紙は主張する。ファン・ダイクはスピードと試合を読む力に長けており、リヴァプールのハイラインをカバーしていたが、今季はこのチグハグさにオランダ代表DFも苦戦しているようだ。
ユルゲン・クロップ監督はナポリ戦後に「再構築」が必要だと語った。マンチェスター・ユナイテッドでエリック・テン・ハーグが現実に目を向けたように今後リヴァプールに何か変化が訪れるかもしれない。