名手ノイアーが一歩も動けなかった衝撃弾から“10年” 怪物バロテッリに見たイタリアの夢

バロテッリはイタリア代表No.1FWにもなれたか photo/Getty Images

EURO2012で大暴れした日

今年のワールドカップ・カタール大会出場も逃してしまったイタリア代表にとって、ずっと悩みの種となってきたのがセンターフォワードだ。

優勝した2006年のドイツ大会当時はルカ・トーニ、アルベルト・ジラルディーノ、フィリッポ・インザーギ、1列下にフランチェスコ・トッティもいたが、それ以降のイタリアは決定的なアタッカーを欠いている。

可能性があったとするならば、やはりマリオ・バロテッリだろう。今から10年前の2012年6月28日、この日はイタリアがEURO2012準決勝でドイツ代表を撃破した日である。もうあれから10年も経ったのだ。
準決勝のもう1試合はスペイン代表が制しており、EURO2008に続いて決勝はスペインVSドイツのカードになると予想した人も多かっただろう。実際、当時のドイツはグループステージでポルトガル、オランダ、デンマーク相手に3連勝と完成度が高かった。

その夢を砕いたのがイタリアであり、バロテッリだった。ヘディング弾に加え、名手マヌエル・ノイアーですら一歩も反応できない強烈な右足ショットをねじ込んだバロテッリはヒーローとなり、イタリアを決勝へと導いた。

決勝はスペインに0-4と粉砕されてしまったが、それでもイタリアの戦いは印象的だった。当時のスペインは世界最強であり、ファイナルへ進んだだけでも十分と言っていいだろう。

英『Planet Football』が改めて10年前のことを振り返っているが、バロテッリがあのまま順調に成長していればと悔やまずにはいられない。ドイツ戦で見せた2ゴールのインパクトは強烈で、その才能は確かだったはずだ。もしバロテッリが伸びていれば、今頃イタリアもカタールの地へ乗り込む準備を進めていたかもしれない。

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