オナイウら1部昇格へ衝撃の猛攻《80ゴール》 レスターの再現期待したいトゥールーズが面白い

リース・ヒーリーは遅咲きながら興味深いFW(写真はMKドンズ時代) photo/Getty Images

2部とはいえ驚異の攻撃力

25日に行われたリーグ・ドゥ(フランス2部)第35節のニオール戦に勝利し、見事リーグ・アン昇格を決めたトゥールーズ。このゲームでは日本代表FWオナイウ阿道も今季9ゴール目を挙げる活躍を披露しており、日本のサッカーファンにとってもハッピーなニュースとなった。

まだ来季の話をするのは早いかもしれないが、今のトゥールーズはなかなか興味深いチームなのだ。

何より目を引くのは、35節消化時点で80ゴールを奪っている攻撃力にある。この数字は、21世紀以降にリーグ・アン昇格を決めたチームの中では最多の数字なのだ。
例えば昨季リーグ・アン昇格を決めたトロワとクレルモンは、トロワが60ゴール、クレルモンが61ゴールで昇格を決めている。このとき3位で惜しくも昇格を逃したトゥールーズはリーグ最多の71ゴールを奪っており、昨季も攻撃力の目立つチームではあった。今季はそれがパワーアップしていることになる。

2019-20シーズンにリーグ・アン昇格を決めたロリアンは45ゴール、RCランスは39ゴール、2018-19シーズンに昇格を決めたメスは60ゴール、ブレストは64ゴールと、今季のトゥールーズとはかなり差がついている。2019-20シーズンのロリアンとRCランスとは2倍近い差がついていることになる。

ファン・デン・ボーメンも仏の地で大ブレイク(写真はデ・フラーフスハップ時代) photo/Getty Images

攻撃を引っ張るのは、20ゴールを挙げてリーグ・ドゥ得点ランク首位に立つFWリース・ヒーリー、そして得点ランク5位の12ゴール&アシストランク1位となる21アシストを記録して話題をかっさらう攻撃的MFブランコ・ファン・デン・ボーメンの2人が一躍人気者となっており、2人が来季もチームに残るならば面白い。ファン・デン・ボーメンに関してはかなり人気が上がっているようだが、トゥールーズが1部で戦うには必要な人材だ。

まだ比較には早いが、2015-16シーズンにプレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたレスター・シティと同じようなミラクルを期待したくなる。得点ランク1位のヒーリーはコルチェスターやMKドンズなどイングランド下位カテゴリーのクラブでプレイしてきた苦労人のイングランド人ストライカーであり、27歳にして有名になったヒーリーにはどこかレスターのFWジェイミー・バーディを思わせるところもある。

もちろんオナイウの来季にも期待がかかる。今季はスタメン落ちする苦しい時期もあったが、2部でも9ゴールは見事な数字だ。残り3試合あるため、二桁に乗せることも十分に可能だろう。

2部で80ゴールも挙げるトゥールーズの攻撃力は1部でも通用するのか。注目する価値はあるはずで、リーグ・アンでの1シーズン目から一気に上位を狙ってほしいチームだ。

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