23日、ドイツ・ブンデスリーガではバイエルンがドルトムントを3-1で撃破し、10年連続のリーグ制覇を決めた。
手がつけられぬ前人未到の10連覇だが、では10年前のことを覚えているだろうか。ちょうど10年前の2012年4月21日、当時ドルトムントに所属していたMF香川真司がボルシア MG戦にて華麗なゴールを決め、ドルトムントのブンデスリーガ連覇を決めた日だ。
思えばあのシーズンを最後に、バイエルンの独走がスタートしたことになる。今のドルトムントもマルコ・ロイスやアーリング・ハーランドなど実力者を揃えているものの、当時のユルゲン・クロップ率いるチームには敵わないだろう。
移籍情報サイト『Transfermarkt』が10年前の優勝劇を改めて振り返っているが、当時の香川はチームで3番目に高額となる2200万ユーロの市場価値がつけられていた。これは香川のキャリアの中では最高額で、最も高い評価を得ていた時期と言っていい。
ちなみに当時のチーム2位はDFマッツ・フンメルス(2400万ユーロ)、1位はMFマリオ・ゲッツェ(3000万ユーロ)となっており、この2人は後にバイエルンへ移籍することになる。香川を含めその後3人ともドルトムントに復帰したものの、こうした才能の流出がドルトムントとバイエルンの差になったのは言うまでもない。
当時の香川はリーグ戦で13得点12アシストの成績を残しており、欧州でもトップクラスの攻撃的MFだった。ブンデスリーガにて得点とアシストの両方を二桁に乗せたドルトムントの選手は限られていて、香川が退団した2012年以降に2列目の選手でこれを達成したのはゲッツェ、ロイス、ヤクブ・ブワシュチコフスキ、ヘンリク・ムヒタリアン、ジェイドン・サンチョの5人だ。
昨季と今季はハーランドが奮闘しているが、昨季はハーランドしかリーグ戦で二桁得点をマークしていない。今季はロイスが9得点に乗せているが、現段階ではハーランドしか二桁得点者はいない。今夏にハーランドが退団する可能性を考えると、来季は2列目から得点を量産してくれる選手を増やしたい。
果たしてバイエルンの支配はいつ終わるのか。連覇が続くたび、最後にバイエルンを抑えたチームとして2011-12シーズンのドルトムントと香川真司にスポットライトが当たるパターンも続いていくだろう。当時も評価は高かったが、あのクロップ率いるドルトムントはどこかレジェンド的な存在となっている。