浦和のドリブラーからウニオンのオールラウンダーへ “プレス数334回”を誇る原口元気は日本代表を支える存在となれる?

ウニオン・ベルリンでは中盤で起用される原口元気 photo/Getty images

走力と賢さを武器にチームに貢献していく

ドイツ国内のカップ戦であるDFBポカールは終盤を迎えており、21日に準決勝ライプツィヒ対ウニオン・ベルリンの一戦が行われた。25分にウニオンのシェラルド・ベッカーが先制することになるも69%のボール支配率を記録したライプツィヒが主導権を握り、後半アディショナルタイムにエミル・フォルスベリが劇的逆転弾を決めて勝利を挙げている。決勝の相手はフライブルクとなっており、22日のファイナルが楽しみだ。

敗れることになったウニオンだが、タイウォ・アウォニイ、ベッカーからなる2トップを軸としたカウンターが強力であり、中盤でスタメンとなったMF原口元気は豊富な運動量を武器に躍動していた。

浦和レッズ時代はドリブラーとして知名度を上げ、ドイツでは献身的な守備とインテリジェンスを武器に中盤のオールラウンダーとして評価を高めている原口。ウイオンでは[3-5-2]のインサイドハーフで出場機会を得ており、今季は39試合に出場して2ゴール5アシストを記録している。

ライプツィヒ戦では64分までのプレイとなったが、原口の強みが随所に表れていた。特に際立っていたのは切り替えの部分だ。味方がボールロストすれば真っ先にプレッシングを行っており、攻撃面では狭いエリアで受けても失わない技術力の高さで、前線でボールを待つアウォニイ、ベッカーらに高精度のパスを供給していた。相手はブンデスでも強豪のライプツィヒであり、彼らからプレッシャーを受けながらも攻守に躍動する姿はより称賛されるべきか。

日本代表ではウニオンほどの輝きを見せられていない原口だが、遠藤航、田中碧、守田英正の3人からなる中盤を強化できるのは現在のサムライブルーでは原口ぐらいだ。攻守に走る運動量、フリーになっている選手を逃さない目、狭いエリアでも失わず攻撃を前進させられるスキルの高さはぜひ今の代表に欲しい。ウニオンでもプレッシング数は324回とチームでは4番目に多い数字であり、強度の高さを見せている。

日本代表では試合数が少なく、なかなか自身の強みを見せられずにいる原口。それでも、ワールドカップ・カタール大会までは6試合の親善試合が用意されており、そこで能力の高さをアピールできれば代表の心臓ともいえる中盤の選手層を厚くできる存在になるだろう(データは『FBREF』より)。

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