今季はより飛躍した一年となった
今季もプレミアで首位を独走しているマンチェスター・シティ。こういった長期での戦いは安定感抜群であり、調子を落とさなければリヴァプールを突き放し、リーグタイトルを手にすることになるか。
そんなシティだが、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラのサッカーを体現する際に重要となるサイドバックには、ワールドクラスの選手を配置している。右サイドバックのカイル・ウォーカーはアスリート能力の高い選手であり、リヴァプールのサディオ・マネやパリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペのようなスピードスターでさえ彼の前では自由にプレイができない。シティの守備を安定させている選手の一人であり、欠かせない戦力だ。
左サイドバックのジョアン・カンセロはウォーカーとは反対に攻撃で違いを見せる。後方からのビルドアップでもそうだが、SB離れしたポジショニングと攻撃センスで創造性を生み出している。データサイト『SofaScore』によればDFながらカンセロはシティで最もシュートを放っているプレイヤーとなっており、積極的な攻撃参加が目立っている。
「SBとしての子供の頃のアイドルはダニエウ・アウベスです。私は思うにアウベスは史上最高のフルバックです。彼の大ファンであり、私のロールモデルでもあります。まだ会ったことはありませんが、早く会ってみたいです」
マンチェスター・シティの公式サイトでは、カンセロがアウベスに対する思いを語っている。アウベスへの気持ちが伝わってくる内容であり、目標としている選手のようだ。
実際に2人のスタイルは似ている。これは両者を指導したペップの影響だといえるが、SBながら中盤やFWとしての顔を持ち、チームを助けている。カンセロはユヴェントスから加入したが、ペップはアウベスの姿をカンセロに重ねていたのかも知れない。
今では世界的なSBとなったカンセロ。今季は特にその攻撃性能が発揮されており、全コンペティションで見ると既に3ゴール8アシストと11ゴールに関与していることになる。守備時の対応も改善が見られており、今後もペップに重宝される存在となりそうだ。