今後は併用されるだろう
今季のアーセナルは開幕から3連敗を喫しており、指揮官であるミケル・アルテタの首も怪しくなっていた。それでも、今夏の移籍市場で獲得した選手たちが馴染み始めると、徐々に戦えるチームに変化しており、プレミアでは直近6戦無敗の好成績を残している。
調子を上げてきたガナーズだが、やはり最終ラインを支えるアーロン・ラムズデール、ベン・ホワイト、冨安健洋の新加入組は安定感抜群であり、プレミアではすっかり鉄板の並びとなっている。直近のアストン・ヴィラ戦では左サイドバックにキーラン・ティアニーではなく、ヌーノ・タヴァレスが起用されており、センターバックのガブリエウ・マガリャンイス以外の4人が新規の選手という最終ラインが組まれている。
ポルトガルの名門ベンフィカからやってきたタヴァレス。本職の左サイドバック以外にも右サイドバックでも起用できるユーティリティ性を持っており、現状ではティアニーのバックアッパーの立ち位置だ。アストン・ヴィラ戦ではそのティアニーが怪我でベンチ外ということもあり、先発を任されると90分に渡って好パフォーマンスを披露している。
攻撃時に関しては頻繁にオーバーラップしており、左サイドからクロスで好機を演出している。ストレートなクロス以外にもファーサイドを狙うようなクロスの種類の豊富さも彼の武器か。また、右足からも強烈なミドルシュートを放っており、ティアニーと比べ中に切れ込む選択肢があるのは評価できるポイントだ。守備に関してもタックル成功数2回、空中戦勝利数2回と悪くない成績を残しており、アルテタ監督にアピールできたはずだ。
ここで気になるのはティアニーとの序列だが、アストン・ヴィラ戦だけのパフォーマンスで逆転とはならないものの、スコットランド代表DFを脅かす存在であることは間違いないか。左サイドでは十分に機能しており、ティアニーであれば良かったと思うシーンも少なく、プレミア初先発とは思えない素晴らしい活躍を見せた。
ラムズデール、ホワイト、冨安と既に活躍している新加入組に追い付く活躍を見せたタヴァレス。まだ21歳と若い選手であり、ティアニーと共に長くアーセナルの左サイドを支えてくれるのは間違いなさそうだ(データは『WhoScored.com』より)。