約77億円の価値を示すとき マンCの補強から見る左サイドバック事情

本来の彼の実力を示す時だ photo/Getty Images

タイムリミットは既に過ぎたか

ファビアン・デルフ退団以降、問題視されていたマンチェスター・シティの左サイドバック。一時は武者修行に出していたアンへリーニョをレンタルバックしたが、戦力とならず、バンジャマン・メンディもベンチを温める日々が続いている。そして、昨季ようやくオレクサンドル・ジンチェンコが開花し、彼が左サイドバックのファーストチョイスとなった。昨シーズンはフル稼働し、CL決勝でも安心して先発を任せられる人材へと成長している。

しかし、彼の控えを務められる存在がおらず、左サイドバックの補強候補にはスポルティングのDFヌーノ・メンデスやフラムのDFアンソニー・ロビンソンらの名前が挙がっていたが、英『Manchester Evening News』によれば今夏での彼らの獲得はないようだ。その理由としては左サイドバックの補強よりも重要なポジションがあるとのこと。また、前述したメンディやジョアン・カンセロ、ネイサン・アケといった控えの存在が大きいようだ。

噂に挙がっているハリー・ケインやジャック・グリーリッシュの獲得に約100億円以上を使う予定があるため、財政に余裕がないのが本音だろう。

確かに下位相手であればメンディやカンセロに任せることができ、それは昨季の結果からも表れている。しかし、ウクライナ代表MFが怪我をした場合、安心して任せられる選手がいない不安と来季戦うことになる。

そこで期待したいのがメンディだ。昨季は加入後初となる怪我での離脱がなく、シーズンを走り抜いた。終盤ではリーグ戦で起用されており、自身の武器である高精度クロスから得点をアシストしている。また、獲得の噂に挙がっているケインがチームに加われば、高さのある選手との相性の良さも示せるはずだ。

また、彼が加入以降、これといったライバルの獲得もなくメンディにはチャンスを与えられている。来季で加入5年目となるが、そろそろ約77億円の移籍金の価値を示す時なのではないだろうか。

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