放出候補から世界最高級の左SBへ マンUのレフティーが歩んだ大逆転の1年

今季マンUで圧巻のパフォーマンスを披露したショー photo/Getty Images

今季の活躍はMVP級

2020-21シーズンのマンチェスター・ユナイテッドにおけるMVP。それにふさわしい選手はいったい誰だったか。人によって評価する選手は変わるかもしれないが、DFルーク・ショーを推す声は多いのではないだろうか。今季は不動の左サイドバックとして赤い悪魔を支えた同選手。先日は選手が選ぶクラブ年間最優秀選手にも輝いたことが発表されている。

では、そんなショーの活躍は具体的にどれほどのものだったのか。実際に数字を見ながら振り返ってみよう。

特に素晴らしかったのはキーパス数。データサイト『SofaScore』によると、ショーはDFながら同スタッツで73本もの数字を記録している。これはもちろんDF登録の選手中最多で、リーグ全体でも7位にランクインするというのだから驚きだ。
そして、もう一つ注目すべきはクロス成功率だろう。昨季のショーは23.68%(38本中9本成功)しか記録することができなかったが、今季の同選手はなんと30.16%(189本中57本成功)にまでその数字を改善することに成功している。成功率だけでなく、成功数自体も大幅に上昇しているのは好印象だ。

そのほかにも、地上戦勝利数(108回)やタックル数(44回)などでも印象的な数字を残した今季のショー。かつては怪我や激太りの影響で放出候補に挙げられる時期もあったが、2020-21シーズンのパフォーマンスがそれを完全に過去のものにしたと言っていい。そんななか、ショー自身も今季の大成功については次のように語っている。

「僕はいつだってこうなることを信じていたよ。なかなかプレイできない時期もあった。時には移籍しろと言っている人がいたのも知っている。だけど、それでもユナイテッドは世界最大のクラブだ。ここを離れたいと思う選手なんていないよ。クラブは何か理由を持って僕を獲得したはず。その期待に応えたかったんだ。自分に何ができるかを証明したかったのさ」

「今季は本当にうまくいった。でも、決して油断はしないようにしたい。いつまでも高い目標を設定して、一貫したパフォーマンスを披露したいね。この前のリヴァプール戦はガッカリしたよ。ああいう試合はもう経験したくないから、自分自身のレベルもさらに上げていきたいね」(英『Daily Mirror』より)

過去には難しい時期も経験したが、それでも未来にある成功を信じてプレイし続けたショー。素晴らしいパフォーマンスを披露した2020-21シーズンだが、これはまだ彼が紡ぐ成功の物語の序章に過ぎないのか。一時は放出候補とまで言われたレフティーの逆襲劇は、今後も長く続いていくこととなりそうだ。

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