トッテナムのエースにステップアップは必要か。昨今、同クラブに所属するイングランド代表FWハリー・ケインに関しては、このようなことが話題となることも少なくない。
「まだトッテナムとの契約は残っているが、ケインはクラブに対して言いたいことがたくさんあるだろう。大きな栄光を掴むためにも、彼は今夏移籍しなければならないと私は思うね。トッテナムにいるとなると、ケインはそれを掴むことが今後もできない可能性が高い」
先日、ケインのキャリアに関してこのように主張したのは元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーン氏。実力は申し分ないものの、どこかその評価がイングランドの国内レベルで頭打ちとなっている印象も否めないケイン。おそらく、それは彼がまだリーグタイトルを手にしていないことも関係しているのだろう。それさえ獲得することができれば、ケインが世界的なスーパースターたちの仲間入りを果たすことは間違いない。キーン氏も、そういった考えのもとで彼に移籍を勧めているはずだ。
とはいえ、トッテナムもまったくタイトルに手が届かなそうなクラブではない。現時点でこそ6位に沈んでいるものの、今季前半戦の第12節まで首位に立っていたことは記憶に新しいところ。粘り強く改善を続けていけば、そう遠くないうちに彼らが栄冠を掴み取ることは可能か。タイトルさえ手に入れば、ケインが移籍する理由は消えるだろう。巷ではレアル・マドリードといった国外ビッグクラブへ移籍の噂が絶えないものの、まだエースは決断を焦るべきではないのか。
「トッテナムは野心的なクラブだ。ケインは現在の状況だけで判断をするべきではないと思うね。12月の時点で彼らはリーグテーブルのトップにいた。加えて、まだ私がアーセナルにいた頃も彼らは何度か首位に立っていたね。そういったことからも、ケインはトッテナムに留まるべきだと私は思うよ。個人的に、彼らは近いうちにタイトルも手に入れることができると感じている。自身の置かれた状況を評価できるのは本人だけだがね」(『beIN Sports』より)
かつてアーセナルを率いたアーセン・ヴェンゲル氏も、このようにケインの移籍に関しては否定的なスタンスを示している。「トッテナムではワールドクラスになれない」。そんな意見もSNS上では散見されるケインだが、これからもスパーズのためにプレイを続けることでも世界最高級ストライカーへの道は拓くことができるか。今は彼にとって我慢のときなのかもしれない。