26歳で始まるストーンズ物語の“第2章” ワールドクラスへの道は拓かれた

今季マンCで急成長を遂げたストーンズ photo/Getty Images

マンCの守備を支える大黒柱に

2020-21シーズン、ここまでイングランド・プレミアリーグで首位を快走するマンチェスター・シティ。30試合を終えた時点で2位マンチェスター・ユナイテッドとの差は14ポイントと、シチズンズはまごうことなき独走体制を築いている。

その原動力となっているのが強力な守備陣だ。彼らのチーム失点数はリーグ最少の「21」。1試合平均失点はわずか0.7点というのだから驚きだ。

中心となっているのはルベン・ディアスとジョン・ストーンズの鉄壁CBコンビ。リーダーシップの取れるディアスと、マルチなタスクをこなせるストーンズのバランスは絶妙と言える。今季は序盤戦にやや躓いたマンCだが、彼らがガッチリとハマったことで反攻への道が拓けた。
しかし、2人の中でもストーンズがここまで頼れる存在になると、どれほどの人が予想しただろうか。開幕前はチーム所属するCBのうちで4番手とみなされていた同選手。だが、今となっては絶対的存在に。今季ここまで彼が先発した22試合のうち、マンCは実に17試合でクリーンシートを達成している。達成率は驚異の77.3%。まさに“番人”と呼ぶにふさわしいパフォーマンスだといえるだろう。

「新加入の選手たちの存在は、自分の価値を証明するために大きなモチベーションとなったよ。彼らに負けたくないから、僕は試合に出るために必要なすべてのことをした。たとえ簡単なことに取り組む場合でも、決して休むことはなかった。すべてが課題だったからね。チーム内での地位を保つため、あらゆることが挑戦だった。だけど、無事にそれを乗り越えることができて、今はとても満足しているよ」(英『Daily Mirror』より)

いったい、今季のストーンズに何があったのか。そう思っていた人も多いだろうが、本人は新加入選手たちに負けたくないという気持ちが自身の尻に火をつけたとこのように語っている。これが焦りを生んでしまう選手も少なくないが、ストーンズにとっては良い刺激となったようだ。

昨季まではどこか頼りない印象があったものの、今季完全にDFとして次の領域へと足を踏み入れた感のあるストーンズ。今回のインターナショナルマッチウィークではイングランド代表にも復帰し、閉塞感のあった彼のキャリアにまた光が差し込んだ。この調子で結果を残し続けることができれば、ストーンズがワールドクラスの守備者として評価される日もそう遠くはないだろう。26歳が紡ぎはじめた物語の“第2章”。はたして、評価大逆転の先にあるストーリーは希望に満ちたものとなるのだろうか。殻を破ったストーンズの今後には、期待感が高まるばかりだ。

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