[MIXゾーン]川崎をリスペクトしすぎた横浜を襲った“魔の45分間” 

「ビビりながらやっていた」と前半を振り返った天野(右) photo/Getty Images

安易なパスミス、連携ミスでリズムを作れず2失点

26日(金)、2021J1開幕戦が等々力競技場で行われ、昨季王者である川崎がホームで一昨年王者の横浜Mと対戦。連覇を目指す川崎が前半に奪った2点を守り切り、2-0で勝利して幸先よく勝点3を奪っている。一方、横浜Mは2点ビハインドとなった後半に反撃を仕掛けて決定機も作り出したが、最後までゴールが遠かった。

横浜Mにとって悔やまれるのは、前半の内容だ。試合後の天野純によれば、ポステコグルー監督のもと、この1週間一人一人が正しいポジションを取り、動き過ぎないというコンセプトで準備を進めてきたという。最終ラインの両サイドに空いた大きなスペースを狙われていた昨季を振り返り、失点のリスクを減らす狙いがあった。しかし、前半に関しては正しいポジションを意識しすぎている選手と、臨機応変にプレイする選手が混在し、昨季まではあまりみられなかった安易なパスミス、連携ミスが目立った。

「いいゲームではなかった。自分たちのサッカーができず、やろうとしていたことを出せなかった。前半のメンタルはやってはいけないこと。しっかり強い気持ちを持たないといけない。いい日ではなかった。今日のようなパフォーマンスはみたくない。修正しないといけない」(ポステコグルー監督)

「(前半のチームは)ボールを受けることを怖がっていた印象があります。後半は修正し、一人一人が当たり前のことをやったら自分たちのサッカーになりました。(前半は)ボールを持つ意識が低く、ビビりながらやっていたと感じます。そこに尽きます。個人の意識として、川崎をリスペクトしすぎていたと自分自身は感じました」(天野純)

後半になって少し息を吹き返しただけに、横浜Mは2点を献上した前半の内容が悔やまれる。「(前半は)ボールを取れたら比較的スペースが空いていた。スムーズに攻撃できて、2点以上のチャンスがあった」とは川崎の家長昭博である。正しいポジションを取り、動き過ぎないという狙いがこの事態を招いたのか、指揮官が指摘したように単純にメンタルの問題だったのか。あるいは、もっと多くの要素が複合的にからんでいたのか。

喜田拓也、マルコス・ジュニオールが不在。横浜Mにとって鍵を握るポジションでもあるサイドバックに新加入の岩田智輝が入り、攻撃の一角を高卒ルーキーの樺山諒乃介が務めた。期待の新外国籍選手であるエウベルもまだいない。そして、「正しいポジションを取り、動き過ぎない」という考えがあった。こうした状況のなか迎えた開幕戦の前半45分間が悔やまれる内容になったとしても、個人的には許容できる。だが無論、指揮官、選手はそんな甘い考えは持っていない。それは、高卒ルーキーでも同じである。

「どれだけ自信を持って挑んでも、やはり王者は強かったです。Jのトップレベルとできて楽しかったですが、自分の良さを出せなかったので課題が残りました。どんな相手に対しても良さを出せないといけないという課題が残りました。自分の良さを相手につぶされ、チームとしても個人としても悔しさが残りました。改めて、もっと上にいきたいと思えました。次に川崎とやるときに、また違った自分をみせられたらと思います」(樺山諒乃介)

横浜Mにとって“魔の45分間”となったが、そこを見逃さずしっかり2得点した川崎に王者の王者たるゆえんがあった。しかし、まだ開幕戦を終えたばかり。横浜Mもそうだが、新外国籍選手が来日前など、不確定要素を抱えたまま開幕を迎えるチームが多い。シーズンを戦うなか、いろいろなことがわかってくる。そんな2021シーズンになりそうだ。

取材・文/飯塚健司

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