カルバハルの穴を感じさせない男 少し地味でも見逃せない万能戦士の奮闘

今季カルバハルの代役SBとして奮闘しているバスケス photo/Getty Images

代役SBとして十分すぎる活躍

2020-21シーズン、右サイドの絶対的存在が度重なる負傷離脱を強いられているレアル・マドリード。その選手とは、長年同クラブの右サイドバックとして絶対的地位を築いてきたスペイン代表DFダニエル・カルバハルだ。

2012-13シーズンに一度レヴァークーゼンへと移籍するも、直後の2013年夏にレアルへ買い戻されて以降、長きにわたって白い巨人を支えてきたカルバハル。これまで2度のリーガ・エスパニョーラ制覇、4度のチャンピオンズリーグ優勝に貢献するなど、近年のレアルにおける彼の貢献度は間違いなく高かった。しかし、今季のカルバハルは度重なる負傷でほとんど出番を得ることができていない。レアルに復帰してから昨季までの7年間で怪我による合計欠場数が62試合しかしなかった同選手だが、今季は約半年間で早くも25試合を欠場することとなっている。レアルにとって、この離脱が大きな痛手となっていることは間違いない。

しかし、今季のレアルにはそんなカルバハルの穴を埋めるべく、右SBの位置で躍動している選手がいる。MFルーカス・バスケス(29)だ。まったく同じレベルとまでは言えないかもしれないが、今季のレアルはバスケスのおかげでカルバハル不在の影響をそれほど感じずに戦うことができていると言っていいだろう。少々地味な存在ながら、同選手は類稀なる適応力でスペイン代表DFの穴を埋めている。

スタッツの観点からすれば、今季のバスケスは昨季のカルバハルと比べても引けを取らない数字を残している。今季リーグ戦18試合(1357分)に出場している同選手は、ここまで25回のドリブル成功数を記録。これは昨季31試合(2739分)に出場したカルバハルに早くも並ぶ数字となっている。そのほか、クロス成功数もすでに18回を記録し、昨季のカルバハル(22回)超えは射程圏。元来アタッカーの選手ということもあるが、これは称賛されて然るべき数字と言えるだろう。

守備面でもバスケスの貢献は光る。この万能戦士は優れた献身性を活かし、ここまで90分あたりの平均タックル数、クリア数、インターセプト数でそれぞれ2.91回、1.06回、1.06回を記録。これらもまた、2019-20シーズンにカルバハルがマークした数字(タックル数2.14回、クリア数1.08回、インターセプト数2.23回)に迫るスタッツだ。インターセプト数では後れを取っているものの、代役としては十分すぎるパフォーマンスと言えるはずだ。

本職以外のポジションを任されても、何事もなかったかのように与えられた職場での仕事を淡々とこなすバスケス。そこまで目立つ存在ではなかったが、今季の活躍を見ればジネディーヌ・ジダン監督が彼を手放さなかった理由を理解することができるだろう。レアルの緊急事態を救う存在となった万能戦士の活躍からは、今後も目が離せない。

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