ユーヴェで最も欠かせない“DFスペシャリスト” 「継続性」がもたらす安定感

ユヴェントスで今季、最多出場時間を記録しているダニーロ photo/Getty Images

プレイすればするほど調子が良くなる

ユヴェントスには現在、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドやアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ、イタリア代表DFレオナルド・ボヌッチ、DFマタイス・デ・リフトなど、多くのスター選手たちが在籍している。どの選手もチームにとって重要な存在だが、アンドレア・ピルロ体制で最も欠かせない選手となっているのは、あの“DFスペシャリスト”に違いない。

第19節終了時点で10勝6分2敗(1試合未消化)となっており、暫定ではあるものの5位(勝ち点「36」)に沈んでいるユヴェントス。新体制ということもあり、さまざまなスタイルや選手を試行錯誤した前半戦は勝ち点を取りこぼす試合も多く、首位ACミランとの勝ち点差は「7」に。前人未到となるセリエA10連覇へ向けて、窮地に立たされている。

ただ、そんなチームの中でも序盤戦から素晴らしいパフォーマンスを披露しているのがブラジル代表DFダニーロだ。ここまでチーム内で最多タイとなるリーグ戦17試合に出場しており、出場時間では2番目に長いボヌッチ(1379分)よりも100分以上も長い1487分を記録。ピルロ監督がいかに彼を重宝しているのかがよくわかる数字となっている。ではなぜ、ピルロ監督のもとでダニーロが重要な存在となっているのか。
その理由は、彼が持つユーティリティ性やチームが行う可変システムにあるだろう。今季は左サイドバックの主力であるアレックス・サンドロが怪我と新型コロナウイルス感染に悩まされ、ここまで思うような出場機会を得られていない。そして、チームは守備時に4バック、攻撃時には3バックになる可変システムを採用。そこで、主戦場とする右サイドバックだけでなく、左サイドやセンターバックも卒なくこなせるダニーロが重要な存在となっているわけだ。今季は対人やカバーリング、ビルドアップなどのさまざまな点で、安定感が抜群なところも指揮官から高い評価を得られている理由だろう。

実際に、ブラジル『TNT』のインタビューに応じたダニーロは次のようなコメントも残していた。

「ポルトを離れて以降、今季が最も継続的に出場できているシーズンだと思う。おそらく僕には継続性が必要で、プレイすればするほど調子が良くなる選手なんだ。5、6試合続けてプレイしてしまうと疲れを感じる選手がいるけど、僕はそうではないからね。僕はこれまで色々なポジションでプレイしてきた選手だし、(ピルロ体制での役割は)別に僕にとって新しいことではないよ。僕は攻撃の選手としてプレイすることはできないよね? だからこそ、守備面ではあらゆるポジションをこなさなければならないんだ。この役割は快適だし、満足している」

ダニーロの好調や安定感の要因は「継続性」にあるようだ。怪我など何事もなければ、後半戦もチームのキーマンのひとりになるに違いない。また、ユヴェントスとの契約も2024年までとなっており、ダニーロはチームで確固たる地位を築くことができるのか。

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