避けたいF・トーレスとの“比較” チェルシー新エースは重圧に打ち勝てるか
チェルシーを前線から引っ張ってほしいヴェルナー photo/Getty Images
ここまでは期待に応えられず
昨夏に大型補強へ動きながら、現在リーグ戦8位と苦戦しているチェルシー。カイ・ハフェルツ、ハキム・ツィエク、チアゴ・シウバ、ティモ・ヴェルナーら大物プレイヤーを獲得しただけに、今季は最低でもトップ4に入るのがノルマといえる。
特に気になるのはライプツィヒからやってきたFWティモ・ヴェルナーの状態だ。4750万ポンドとされる移籍金でやってきたヴェルナーはチェルシーの新エース候補であり、プレミアリーグでも得点王を狙うだけの素質は備えている。1シーズン目からの爆発を期待していたサポーターも少なくないだろう。
しかし、ここまでリーグ戦18試合に出場して僅か4得点。最後に得点を決めたのは昨年11月のシェフィールド・ユナイテッド戦となっており、そこからリーグ戦では10試合連続で得点がない。ビッグチャンスもいくつかあったが、ライプツィヒ時代では考えられないようなシュートミスもあった。
チェルシーでは苦戦したトーレス photo/Getty Images
4750万ポンドの価値を見せたい
先日チェルシーを指揮するフランク・ランパードは、かつてチェルシーでプレイした元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスも適応に時間がかかったと語り、プレミア初挑戦のヴェルナーを擁護していた。
しかし、トーレスの場合はそこから復調しなかった。リヴァプールでは驚異的な得点力を見せたが、チェルシーでは通算172試合に出場して45得点。リヴァプール時代に142試合81得点の成績を残していることを考えると、チェルシーでのキャリアは失敗だったと言っていい。
スピード豊かな点取り屋という点は、ヴェルナーもトーレスも共通点だ。当時トーレスはリヴァプールから推定5000万ポンドとされる移籍金でチェルシーへ移籍しており、2人は移籍金額も近い。仮にヴェルナーがこのまま調子を上げることが出来なければ、トーレスとのネガティブな比較論も出てくるかもしれない。
求められるのはビッグクラブで戦うメンタリティだ。バイエルン1強状態ともいえるブンデスリーガとは違い、プレミアではチェルシーも優勝が求められている。ライプツィヒとは異なるプレッシャ-がかかることになり、新エース候補のヴェルナーはその重圧に打ち勝つ必要がある。それが出来なければ、チェルシーで成功を収めるのは難しいだろう。
トーレスはチェルシーでプレイしていた4年間、1度もプレミアリーグで二桁得点を記録出来なかった。ヴェルナーはまだプレミア1年目だが、今のペースでは今季二桁得点へ乗せるのは難しいだろう。プレミア2シーズン目となる来季には言い訳も通用しなくなってくるが、ヴェルナーはビッグクラブを前線から引っ張れるほどの実力者なのか。それを証明する2021年にしてほしいところだ。