監督解任のドルトムントに希望はあるか “超攻撃的WB”が浮沈のカギを握る

シュツットガルト戦での大敗を受け、指揮官の任を解かれることとなったファブレ監督 photo/Getty Images

攻撃陣の不調を立て直せるか

現地時間12日に行われたブンデスリーガ第11節のシュツットガルト戦をまさかの1-5というスコアで落としたことにより、ルシアン・ファブレ監督の解任を決断したドルトムント。同クラブは今季も“絶対王者”バイエルン・ミュンヘンに挑む最有力候補として期待されていたはずだが、蓋を開けてみればここまで11試合を終えて5位。バイエルンとの勝ち点差は現状「6」だが、なかなか思うような戦いぶりを披露することはできていなかった。

決して悪くはない成績だが、優勝を狙えるかと言われれば疑問が残る。ここまではそんな戦いぶりだったと言っていい。なかでも心配なのは、ここのところ湿っている攻撃陣だ。11月までの公式戦15試合では1試合平均2.46点を奪っていたドルトムントだが、エースFWアーリング・ハーランドがハムストリングの負傷で離脱した影響もあり、12月以降の4試合においてその数字は1.25点にまで減少している。今季17ゴールを挙げていた若き点取り屋の不在は、間違いなくチームに甚大な影響を与えていると言っていい。

現地メディアによると、ハーランドの復帰は来年1月頃となる見込みとのこと。そこまで長期の離脱とはならない可能性が高いのは不幸中の幸いだが、指揮官を交代して試合に臨まなければならない勝負どころでのエース不在はどう考えても痛手だ。とはいえ、いない選手のことをあれこれ言っても仕方がない。再び優勝戦線へ復帰するためには、この苦境をどうにかして打開しなければならない。

では、彼らはどのようにして再びエンジンをかけていくのか。おそらく、重要な役割を担ってくるのは左ウイングバックを務めるMFラファエル・ゲレイロだろう。ハーランドとはポジションのまるで異なる同選手だが、彼もまた今季ここまでのドルトムント攻撃陣を引っ張ってきたうちの一人。左サイドからの積極的な攻撃参加やラストパスでチームに決定機を提供する同選手は、ハーランドと並ぶ攻撃の要と言っていいだろう。大敗を喫したシュツットガルト戦でも、ドルトムントが挙げた唯一の得点はこの男の芸術的なロングパスから生まれたもの。チーム全体がなかなかうまく機能していない状況でも、このレフティーは随所で違いを生むことができる。

左サイドからドルトムントの攻撃を支えるゲレイロ photo/Getty Images

正確なパスで生み出す多くのビッグチャンス

実際、ゲレイロのスタッツにもそれは表れている。2020-21シーズンに同選手がブンデスリーガで記録したビッグチャンス創出数はリーグ2位の「6」。これはフランクフルトに所属する日本代表MF鎌田大地の「7」に次ぐリーグ2位タイの数字だ。加えてパス成功率も88.54%(506本中448本成功)という高水準をキープしており、今季ブンデスで500本以上のパス本数を記録しているMF7人中トップの数値となっている(各種スタッツは『SofaScore』より)。ビルドアップに絡むことが多い守備的な中盤の選手も多いなかで、サイドを主戦場とする彼がトップとなっているのは面白い。

ピッチ上で常にチャンスを窺い、供給するパスの確実性も高いゲレイロ。やはりこのレフティーをうまく活用できるかどうかで、ハーランド不在時の戦績は大きく変わってくるか。

「ゲレイロのことがあまり話題にならないのは不思議だよ。彼は多くのプレイを左足のみで行うのに、パスもドリブルもすごく簡単そうにプレイするんだ。彼はドルトムントを繋ぐ結び目みたいなもの。彼がいなければ僕らはほどけてしまう」

これはMFジュード・ベリンガムが先日英『FourFourTwo』のインタビューに対して語った言葉だが、今季加入したばかりの17歳もドルトムントにおけるゲレイロの重要性はすぐに認識した様子。ハーランド不在のなかで引き続き攻撃陣を牽引することに期待がかかるレフティー。監督解任に揺れるドルトムントにおいて、今後この男が浮沈のカギを握る可能性は高い。

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