ビッグネームが少ないのにミランはなぜ強い? “元10番”が10年前と比較

かつてミランの10番を背負った経験があるボアテング photo/Getty Images

「サレマーカーズが誰なのかわからなかった」

かつてACミランの10番を背負った元ガーナ代表MFケビン・プリンス・ボアテングが、古巣の現状などに関して驚きをあらわにしている。

近年苦しい戦いを強いられ、スクデット争いどころか欧州コンペティションへの出場権を取りこぼすことも少なくなかったミラン。チームを立て直そうと、積極的に監督交代を行ったり、有望株の補強を行ったりしたが、なかなか結果が出ずにいた。

しかし、昨年10月にステファノ・ピオリを指揮官に迎え入れ、冬の移籍市場でクラブのレジェンドであるズラタン・イブラヒモビッチを復帰させると、チームの歯車が一気に噛み合い出す。これまでの不調が嘘だったかのように調子が上向きとなり、一時は14位まで落としていた順位を6位まで押し上げ、昨季は無事ヨーロッパリーグの出場権を獲得。さらに、その好調は今季に入っても続いており、第9節終了時点で7勝2分と開幕戦からの無敗をキープし、2位インテルと勝ち点差「5」で首位に君臨しているのだ。ボアテングは古巣の現状を喜びながらも、この結果に少々驚いているようだ。
現在、セリエBのモンツァでプレイしているボアテングだが、ミランが最後にスクデットを手にした2010-11シーズンのセリエA優勝メンバーである。当時も7年ぶりのタイトルではあったが、世界にその名を馳せる選手たちが揃っていたため、ミランの優勝はなんら不思議なことではなかった。同選手も伊『la Repubblica』で当時のことを「チャンピオンたちがたくさんいた。イブラにロビーニョ、セードルフ、ピルロ、ガットゥーゾ、チアゴ(・シウバ)とかね。最高の試合ができなくても、個の力で勝てると思っていたよ。対戦相手も私たちを恐れていたしね」と振り返っている。

一方で、今季のミランのメンバーを見てみるとどうだろうか。代表クラスの選手や若手有望株はいても、多くのタイトルを獲得してきた“真のチャンピオン”や“ビッグネーム”はイブラヒモビッチくらいだ。最後に優勝した10年前のメンバーと比較すると、非常に見劣ると言われても仕方がない。ボアテングも「例えば、私はサレマーカーズ(今季リーグ戦全試合に出場中)が誰なのかわからなかった」と口にしている。

ただ「今日のチームを見ていると、長い間目にすることができていなかったチームがそこにはある」ともコメント。そして「ミランは知られていない選手たちとともに、イタリアで最高のサッカーをしている」や「誰もがお互いを助け合っていて、ポジティブな行動も見られる。対戦相手はチームとしてミランを恐れているね。彼らは本当にスクデットを獲得することができると思うよ」と話し、今季のチームに太鼓判を押した。

ボアテングは「スタジアムへファンが入ることが許されたら、全てが変わってしまうかもしれない。サン・シーロでのプレイはヘビーだから、個性が必要となってくる。ファンがいない現状では、選手たちは個性に関して少し自由に感じられているだろうからね」と今後の不安材料も明かしているが、ミランはこの調子をどこまで維持することができるのか。

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