今年も残り3か月となり、Jリーグはシーズン後半戦に突入しています。J1の話題はさまざまなメディアで取り上げられるので、ここではJ2について語りたいと思います。
昇格争いはまだ団子状態です。残り試合数が多く、いま調子が良いチームでもちょっと崩れると順位を落とすことになります。長崎、北九州といった前半戦をリードしたチームがここにきて勝点を伸ばせていません。この両チームがどれだけ上位に踏ん張れるかが、まずは見所になります。
入れ替わって浮上した徳島、福岡とはまだまだ僅差であり、粘り強い戦いをしていれば必ずチャンスが訪れます。自分たちがそうだったように、いまは好調な徳島、福岡も勝点を伸ばせないときが来るかもしれません。
とはいえ、首位に躍り出た徳島は安定感があります。その要因として、クラブとして“軸”がブレない強化を続けていることがあげられます。毎年のように主力だった選手が移籍していますが、その度にしっかりとチームのスタイルに合った選手を獲得しています。
結果として、リカルド・ロドリゲス監督がやりたい可変システムによるサッカーが継続してできています。3バック、4バックの両方に対応できる戦力を備えていて、試合によってうまく使い分けています。それが成績にも表れていて、J2のなかで得点数が2番目に多く、失点数は福岡と並んでもっとも少ない数字となっています。こうしたチームがポールポジションにいるのは、他チームにとっては少し嫌かもしれません。
なにより、昨シーズンの徳島はJ1参入プレイオフ決勝で湘南と引き分け、昇格できませんでした。各選手があのときの悔しさを忘れずに戦っていると思います。また、完全に個人的な視点ですが、かつて湘南でプレイしていた岩尾憲がいるので私は徳島を応援しています。憲さんはそこにいるだけでみんなが安心できます。ピッチにも監督がいるぐらいの存在感があり、まわりからリスペクトされている選手です。ここだけの話ですが、憲さんがいるので徳島にはぜひJ1昇格を果たしてほしいと思っています。
上位争いでは、現時点(第25節終了時)で10連勝中の福岡が自動昇格圏内の2位となっています。序盤戦はやや得点力に物足りなさがありましたが、遠野大弥、フアンマ・デルガドなどが少ないチャンスをモノにし、堅守で守り抜くという粘り強い戦いで勝点を積み上げてきました。
より得点力を高めるべく、後半戦に向けて山形から山岸祐也を獲得し、攻撃陣の戦力アップを図っています。守備は非常に安定していて、前述のとおり失点はJ2でもっとも少ない数字となっています。あとはどれだけ実際に得点力を高められるかでしょう。