サイドバックは専門性の強いポジションでもあり、両方のサイドを担当できる選手はそれほど多くない。特に攻撃的サイドバックの場合、たいていの選手は利き足と同じサイドでプレイすることを好む。
しかし、サイドバックらしからぬアイディアで逆のサイドをこなしてしまう者もいる。
10月29日に行われたヨーロッパリーグ・グループステージ第2節のスパルタ・プラハ戦にて衝撃を与えたのは、ミランのDFジオゴ・ダロトだ。
今夏にマンチェスター・ユナイテッドより出番を求めてミランにレンタル移籍したダロトは、左右両方のサイドを担当できる。
例えばグループステージ第1節のセルティック戦では右を担当したが、今回のスパルタ・プラハ戦では左サイドに回っている。
面白いのは攻撃のアイディアだ。ダロトは57分にラファエル・レオンのゴールを見事なグラウンダークロスでアシストしたのだが、その際に使用したのは右足のアウトサイドだ。サイドバックの選手がアウトサイドでアシストをするシーンはそう頻繁に見られるものではない。
伊『MIlannews.it』によると、ポルトガル出身のダロトにはアウトサイドキックの手本となる選手がいたという。元ポルトガル代表FWリカルド・クアレスマだ。
ウイングを担当していたクアレスマは利き足の右で全ての仕事をこなしてしまう選手で、右足のアウトサイドキックを得意技の1つにしていた。過去の選手と比較しても、あそこまで綺麗にアウトサイドキックを使いこなす選手は珍しいだろう。
「僕がやったアウトサイドのクロスで手本となるのは、クアレスマだ。彼はアウトサイドのキングで、僕も小さい頃からトレーニングしてきた。彼ほど良いアウトサイドではないけど、左サイドでプレイするときは何度もトライしている。利き足を使ううえで役立つし、より正確にできるからね」
ダロトはこのようにコメントしている。逆足の左を使うのではなく、得意な利き足で逆サイドもこなしてしまうのがダロト流か。ダロトにはまだ課題もあるものの、この攻撃センスは見事だ。わざわざ切返さずともアウトサイドでクロスを上げられる技は、対峙する相手サイドバックとしても厄介だろう。