将来は“トッティ&デ・ロッシ級”に ローマに現れた未来のバンディエラ候補

ユヴェントス戦でセリエAデビューを果たしたカラフィオーリ photo/本人Instagram

鮮烈デビュー戦を振り返る

イタリア・セリエAのASローマには、これまでフランチェスコ・トッティやダニエレ・デ・ロッシといった何年もチームに在籍している偉大な“バンディエラ”がいた。下部組織からローマで育った彼らをチームの中心に据えることこそ、一時はジャッロロッシのアイデンティティだった。

しかし、その伝統はデ・ロッシの退団を境に失われつつある。後継者として期待されたアレッサンドロ・フロレンツィは今季就任したパウロ・フォンセカ監督の信頼を得ることができず、今冬バレンシアへ半年間レンタル移籍。来季はまだどうなるかわからないものの、次世代のカピターノと期待された男は間違いなく苦戦を強いられている。

今季はFWエディン・ジェコが腕章を巻くことも増えたローマ。もう下部組織出身者がチームを引っ張る姿はしばらく見れないのだろうか。ジェコも素晴らしいキャプテンシーを備えているのだが、ロマニスタは少し寂しい気分がしていることだろう。
だが、そんな中でローマに一筋の光が差し込んだ。未来の“バンディエラ”候補が彗星の如く現れたのである。その名はリッカルド・カラフィオーリ。下部組織出身の左サイドバックを主戦場とする18歳で、先日行われたリーグ戦最終節でセリエAデビューを飾った期待の新星だ。デビュー戦ではターンオーバーを採用していたとはいえ、今季王者であるユヴェントス相手に圧巻のボレーシュート(VAR検証によりノーゴール)を披露し、その後には果敢な攻め上がりでこの試合の決勝点となったPKを獲得。多くのロマニスタが18歳のプレイに見入ったことは間違いない。

そんなこれからのローマを担っていくかもしれない新たな“バンディエラ候補”が、圧巻の活躍を披露したユヴェントスを振り返っている。クラブ公式のインタビューにて、18歳の若きサイドバックは初出場を次のように語った。

「このデビューにまでたどり着けたことは、他のものを犠牲にしてきた何年もの努力の集大成なんだ。僕はこの瞬間をいつも夢見ていたよ。時には不可能にも思えたけれど、最終的には実現することができた。とっても嬉しいね。あのボレーシュートがノーゴールになったのは確かに悔しいけれど、レフェリーを見た瞬間に得点じゃないと理解できたからそこまでかな。PKを獲得したシーンに関してはすぐ横にペロッティがいたから、彼にパスするか、自分でシュートするか迷ったんだ。だけど、いずれにしても切り返す必要があったから、上手くファウルを誘えてよかったよ」

「試合中にアドバイスをくれた選手はいたかって? ペロッティは僕のことを気にかけてくれたね。常に冷静でいろと言ってくれたよ。序盤に僕が少しヒートアップしていたせいもあったんだろうね。それと、後半に僕が少し疲れてしまった時には彼が全力でサポートに回ってくれた。素晴らしい動きで助けてくれたよ」

デビュー戦とは思えぬ冷静さが光ったカラフィオーリ。はたして、この若者はこれからのキャリアでどれほどの選手にまで成長していくのだろうか。ポテンシャルの高さは窺えるだけに、ゆくゆくはトッティやデ・ロッシ級の偉大な存在となってほしいところだ。

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