スティーブン・ジェラードのようなテクニックを持っているわけでもなく、ルイス・スアレスのような得点力を誇るわけでもない。お世辞にも器用なタイプとは言えないが、リヴァプールで長きにわたってポジションを守ってきた万能プレイヤーがいる。
元オランダ代表FWディルク・カイトだ。カイトは強豪・オランダ代表で100試合以上に出場するなど、貴重な戦力として複数の指揮官から愛されてきた存在だ。
しかしカイトは決してスーパースターと呼ばれるタイプの選手でもなく、スーパーゴール集やテクニック集のような動画を作られることも少ない。登録はFWとなっているが、カイト最大の魅力は圧倒的な運動量を活かした献身的なプレイにあるのだ。
リヴァプール、オランダ代表では主にサイドを担当し、攻守両面で走り続けてきた。アリエン・ロッベンやウェズレイ・スナイデル、ロビン・ファン・ペルシーらに比べると地味な存在だが、とにかく走り続けてくれるカイトのような選手はチームに欠かせない。
カイトは2010南アフリカワールドカップで準優勝、2014ブラジルワールドカップでは右のウイングバックとして3位入りに貢献したが、強い時のオランダ代表にはカイトがいた。
今回英『GIVE ME SPORT』はリヴァプール時代にカイトがマンチェスター・ユナイテッド戦でハットトリックを決めた映像を紹介しているが、これも実にカイトらしいハットトリックと言えよう。
スーパーゴールは1つもなく、こぼれ球に詰めるなど至近距離からのゴールばかりだ。同メディアも「6ヤード・ハットトリック」と取り上げているが、しっかり詰めているのもカイトならではだ。派手ではないが、称賛されるべきプレイと言えよう。
まさに陰の英雄と呼ぶにふさわしく、その重要度はジェラードやスアレスにも負けていなかった。カイトもリヴァプール、そしてオランダ代表にとってレジェンド的存在なのだ。
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