今季はセリエAを6位とで終えたローマ。シーズン途中には、成績の芳しくなかったエウゼビオ・ディフランチェスコ監督を解任。クラウディオ・ラニエリ監督にチームを託したが、結局来季チャンピオンズリーグを逃してしまう結果となった。
決して就任後の成績は悪くなかったラニエリ監督だが、すでに今季限りでの退任が決定している状況。これを受けて、クラブは後任監督探しに奔走している。一時はその候補として、アントニオ・コンテ氏やジャン・ピエロ・ガスペリーニ氏といったイタリア屈指の名将の名も挙がっていた。しかし、前者はインテルの指揮官に就任が決定し、後者はアタランタとの契約延長が発表された。次々と有能な候補に断られているのが現状だ。来季のローマは一体誰が率いることになるのか。
伊『calciomercato』によると、現在有力な候補が2人いるという。先日ミランの監督退任が発表されたジェンナーロ・ガットゥーゾ氏と、シャフタール・ドネツクの監督を務めるパウロ・フォンセカ氏だ。
ガットゥーゾの手腕は多くの人が知るところだろう。CL出場を逃したとはいえ、ミランを2012-13シーズン以降で最高となる5位に導いたことは評価すべきと言える。サイドバックに積極的な攻撃参加を求める彼のスタイルは、アレッサンドロ・フロレンツィやアレクサンダル・コラロフを抱えるローマにうまくフィットするかもしれない。
では、一方のフォンセカはどうか。彼は3シーズン連続でシャフタールを国内2冠に導いている。昨季のCLでも、グループFで同居したナポリを差し置いてベスト16進出を果たした。実力は申し分ないだろう。就任となれば、懸念となるのは守護神か。彼はGKもビルドアップに参加させるタイプの監督。しかし、ロビン・オルセンやアントニオ・ミランテにその役割をこなせるだけのテクニックはない。今季オルセンが期待に応えられなかったことで、すでに新守護神の確保に動き出しているとのことだがどうなるか。
CL出場を逃したことで経費削減を迫られるローマは、今夏移籍市場で複数の主力放出が濃厚な状況となっている。はたして、チーム再建の仕事を請け負ってくれる指揮官は誰なのか。人選を間違えれば低迷期に突入する可能性も高い。慎重に人選を進めたいところだ。