[MIXゾーン]FC東京に現れた期待のCB! チャンスを掴み着実に成長する渡辺剛

松本戦で好パフォーマンスを披露した渡辺 photo/Getty Images

「自分としては出来過ぎ」

FC東京は28日、明治安田生命J1リーグ第9節で松本山雅FCとホームで対戦し、2-0の勝利を収めた。開幕戦からの無敗記録を「9」に伸ばし、首位をキープしている。そして、この一戦でFC東京に新たなヒーローが生まれた。

それは3月に中央大学を卒業し、今季からFC東京に加入した22歳のDF渡辺剛だ。主力CBチャン・ヒョンスの負傷が完全に回復せず、松本山雅戦の出場が不可能に。長谷川健太監督は急遽代役として、ルヴァンカップへの出場はあるものの、ここまでJ1のピッチに立ったことがない新戦力の渡辺をスタメンで起用したのだ。すると、これが大当たり。90分通して鋭いインターセプトや空中戦の強さ、的確な守備など、リーグ戦初スタメンとは思えないようなプレイを披露し、経験豊富なDF森重真人とのCBコンビで相手の攻撃をきっちりシャットアウトしたのだ。先制点のシーンでは、渡辺の的確な読みによるパスカットが貴重なゴールの起点となった。試合後、記者会見に出席した長谷川監督も「若干DFのメンバーが入れ替わる中で、ゲームにスムーズに入れた。新たなサッカーがやれたのは大きなプラス材料」と賛辞を述べている。

そんな渡辺が、試合後のインタビューに応じた。まず「思いっきり入ろうと思っていたので、それがうまくいって勝利につながったので良かったと思います。1点目のところは得点につながってラッキーでしたけど、あのプレイからだいぶ自分のリズムがつかめて、そこから落ち着いてプレイできた。あのプレイは運も味方してくれて、その面ではついていたかなと思います」と試合を振り返った。
そして、この一戦での役割について「ヘディングの部分では、自分はペレイラ選手に負けないと決めていたので、その面を出すことができた。(前田)大然は高校の後輩なので、どういうプレイヤーなのかは分かっていました。予測などをしつつ、うまくスピードを消せたかなと思います」と語っている。

さらに「(CBの)森重選手と(GKの)林選手とは、どういうプレイをしていこうか結構話をしていたので、うまく連携を合わせることができました。森重選手はやっぱりうまいので、ついていけば絶対に勝てるとわかっていました。ついていきつつ、自分の特徴を出していけたいい試合だったんじゃないかなとは思っています」や「自分で言うのも変ですが、(長谷川監督が)期待してくれて、怪我をしたヒョンス選手を出すより自分の方がいいと思って(試合に)出してくれたので、その期待には絶対に応えたいと思っていました。その期待が空回りせずにうまく自分の力に変えられたので、そこは良かったと思います」と話し、デビュー戦に手応えも感じているようだ。

まだプロ1年目のシーズンは始まったばかりだが、ルヴァン杯でゴールを記録するなど、1試合1試合着実に成長して結果を残してきた渡辺。ここまでの出来について「自分としては出来過ぎ。来たチャンスをしっかり摘めているのは、自分の中でも珍しいかな。いつもミスしてしまったりすることが多いので(笑)」とコメントした。ただ「プロになって自覚も芽生えて、したたかにやらないといけないなというのは分かっていたので、精神的にも成長しているのかなと思います」と述べつつ、東京オリンピックへの想いも「こういうところでちょっとずつ結果を出さないと、東京オリンピックは絶対に無理だと思っています。チャンスが来たときにしっかりアピールして、(代表に)選んでもらえるかはわからないですけど、選んでもらえたときにチャンスを掴む。この形を繰り返していけば、チャンスはあるのかなと思います」と明かしている。FC東京の期待のCB渡辺のプレイに今後も目が離せない。

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