バルサの”7番”は居場所を失ったのか 11月から狂い始めた天才MFの自信

バルセロナのコウチーニョ photo/Getty Images

なかなか結果を出せず

2018年の1月にバルセロナがリヴァプールからMFフィリペ・コウチーニョを獲得した時、2つの役割を任せられる理想的な補強ではないかと言われた。1つの役割は2017年夏に退団したFWネイマールの代役、もう1つは昨季を最後にバルセロナを離れたMFアンドレス・イニエスタの後継者
になることだ。コウチーニョにはその両方を可能にするだけの実力があった。

しかし、期待通りには進んでいない。すでに今夏の退団説も浮上しており、コウチーニョはバルセロナで居場所を失いつつある。米『ESPN』がその経過を振り返っているが、昨年の10月あたりまではそれほどネガティブな状況でもなかった。

10月のチャンピオンズリーグ・トッテナム戦では1得点1アシストを記録し、リーグ戦ではセビージャ、レアル・マドリードと強敵相手に1得点ずつ記録。チームも勝利を収めており、10月はコウチーニョにとってまずまずの1カ月だったと言えよう。
ところが、11月に入って状況が変わる。コウチーニョが怪我で欠場した僅かな間にFWウスマン・デンベレが一気に存在感を強めたのだ。11月からクリスマスにかけてデンベレはリーグ戦6試合で4得点2アシストという見事な成績を残している。デンベレの強烈なスピードはバルセロナの武器となり、リオネル・メッシ、ルイス・スアレスとともにMSDなるユニットが誕生することになる。

左のウイングがデンベレで埋まったとなれば、コウチーニョを左のインサイドハーフで起用する手もある。しかしMSDの攻撃ユニットに加えてコウチーニョまで中盤で先発させるのはバランス的に疑問がある。守備に不安を抱えることにもなり、コウチーニョがイニエスタの代役になるのは難しかった。コウチーニョは2019年に入ってからリーグ戦では1アシスト決めたのみとなっており、11月にデンベレがブレイクしたあたりから状況は変わってしまった。

同メディアは、コウチーニョが自信を失っているのではないかと心配している。自信を失う要素としてクラブ史上最高額の移籍金で加わったことも関係しているだろう。そうした焦りからか本来のフォームを見失っていると伝えられており、コウチーニョは抜け出せない迷路に入ったかのような状態にある。

中盤でも今夏にはアヤックスからMFフレンキー・デ・ヨングが合流することになっている。そうなれば今季スムーズにフィットしたアルトゥール・メロを合わせ、バルセロナの中盤は盤石なものとなる。コウチーニョが割って入るのは難しく、バルセロナでの時間は本当に終わりに近づいているのかもしれない。

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