“メッシ2世”の呼び名に潰された若き天才 「誰も僕の名前を知らない」

メッシ2世と評されたライアン・ゴールド photo/Getty Images

過剰な比較に苦しむ

リオネル・メッシ2世と呼ばれた選手は数多くいるが、実際にメッシの領域へ近づいた者はほとんどいない。良いキャリアを築く選手もいるが、メッシとの比較に苦しんでフォームを乱してしまう若手も少なくないのだ。

そんなメッシ2世の呼び声に苦労してきた選手の1人が、スコットランド人MFライアン・ゴールドだ。ゴールドのスタートは見事なもので、17歳でスコットランドのダンディー・ユナイテッドでデビュー。デビューから2シーズン後にはすっかり主力となり、その活躍を受けてポルトガルの名門スポルティング・リスボンに移籍することとなった。

しかしトップチームではほとんど出番がなく、レンタル移籍を繰り返すことになった。ポルトガル国内ではヴィトーリア・セトゥーバル、CDアヴェス、SCファレンセとレンタル移籍を繰り返し、そして今年1月には母国スコットランドのハイバーニアンにレンタル移籍することになった。
理想通りのキャリアとは呼べないものになってしまったが、ゴールドはメッシとの比較に苦労してきたようだ。英『Herald Scotland』によると、自分の名前よりも「ミニ・メッシ」との呼び名が広まってしまったことが苦しかったと明かしている。

「大きな期待を背負ってスポルティングと契約したけど、早くから期待通りに行かないだろうことは分かっていたんだ。過剰な話題は理想的なものとは言えないし、あそこでは初日から難しかった。コーヒーを飲みに行っても、ショッピングセンターに行っても誰も僕の名前は知らない。だけど、みんなはミニ・メッシ、ミニ・メッシと呼ぶ。僕がライアン・ゴールドという名前なのは知らないんだ。これは良いことではないよ」

ゴールドは本来ならばスコットランドのA代表で活躍しておくべき実力者だが、まだそれは実現していない。世代別代表には選ばれているものの、まずはクラブで結果を出さなければA代表での継続的なプレイは難しい。まだ23歳であることを考えれば十分に挽回可能だが、メッシ2世の呪縛から母国スコットランドで解き放たれるか。

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