アルテタがアーセナルにやってきて6年、イングランドでもっとも好転した例と英紙「ジェットコースターのような6年でアーセナルを変貌させた」

アーセナル指揮官アルテタ Photo/Getty Images

見違えるように強くなった

2019年12月20日は、現指揮官ミケル・アルテタがアーセナルにやってきた日だ。アルテタのアーセナルは紆余曲折ありながらも、プレミアリーグでもっとも力をもつチームの1つにまで上り詰め、現在はリーグ首位を走っている。

英『Mirror』は、アルテタのアーセナル革命はイングランドサッカーでもっとも印象的な仕事であり、もっとも好転した例の1つであると評している。

シーズン途中に監督経験のなかったアルテタを招聘したことが示しているように、当時のアーセナルはまったく上手くいっていなかった。ウナイ・エメリはチームを導くことができず迷走し、解任。就任時は暫定的にフレドリック・リュングベリが指揮をとっていた。就任したアルテタは24時間後にグディソン・パークで行われたエヴァートン戦をスタンドから見守っていたが、バックラインはエインズリー・メイトランド・ナイルズ、カラム・チェンバーズ、ダビド・ルイス、そして左サイドバックの選手が負傷離脱していたためにブカヨ・サカが入っている状態だった。

アルテタはものの数試合でチームのビルドアップを整備してみせ、最初のシーズンでFAカップを獲ったが、プレミアリーグでの最終的な順位は8位→8位→5位と低迷している。ドキュメンタリー『All or Nothing』の冒頭部分でも触れられているように、22-23シーズンは開幕3連敗でスタートしており、アルテタを解任するべきだという声は高まっていた。

しかしアルテタのアーセナルが上昇気流を描いたのはこのシーズンからだ。アルテタが成し遂げた最大の功績は、ファンとの繋がりを再び築いたことだと同紙は報じている。「スーパー・ミック・アルテタ」のチャントが生まれ、『North London Forever』を試合前にファンが歌うようになった。今季もスタジアムの入場トンネルを撤去したように、ホームの雰囲気を少しでも改善しようとアルテタは些細なことにも尽力した。

ピエール・エメリク・オバメヤンを放出したように、アルテタは不満分子を排除し、規律の強化にも努めた。チームは劇的に改善され、23-24シーズンには89ポイントを獲得するに至った。マンチェスター・シティがそれ以上の驚異的な安定感を見せたためわずか2ポイント差で2位に甘んじたが、優勝していてもおかしくない勝ち点だ。

しかし結局のところタイトルを獲得できていないことで、アルテタのアーセナルの評価は割れている。同紙は「ジェットコースターのような6年間でアーセナルを変貌させたが、もし彼が最後のステップを成し遂げることができれば、クラブ史上最高の監督の1人にふさわしい」と記事を締めているが、いよいよ今季こそリーグ制覇に至ることができるだろうか。

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