今季のナポリのスクデットは奇跡的偉業 昨季は10位、シーズン途中にはクワラツヘリアを引き抜かれながら優勝へ導いたコンテの手腕

セリエAを制したナポリ photo/Getty Images

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2シーズン前の優勝よりも難易度は高かった?

23日にセリエA最終節でカリアリを2-0で撃破し、再びのスクデットを獲得したナポリ。最終節まで2位インテルと激しいレースとなった今季だが、『Get Footballnews Italy』はナポリのスクデットは『奇跡』と言っていい偉業だと称えている。

ナポリは2022-23シーズンにルチアーノ・スパレッティの下でスクデットを手にしているが、その時と今季では状況が大きく異なる。当時のスクデットも偉業ではあったが、ナポリは2021-22シーズンもリーグ3位でフィニッシュするなど、チームは良い状態にあった。FWヴィクター・オシムヘンが前線に君臨し、経験豊富なMFピオトル・ジエリンスキもいた。

そのチームをベースに、優勝した2022-23シーズンは開幕前にFWクヴィチャ・クワラツヘリア、DFキム・ミンジェといった主力級を補強。他を寄せ付けぬ戦いぶりでスクデットを手にしている。
しかし今季よりスタートしたアントニオ・コンテ体制は、まるで状況が異なる。昨季のナポリは優勝に貢献したミンジェも手放し、リーグ10位に終わっている。

今季はジエリンスキがインテルへと移籍し、関係が悪化したオシムヘンもガラタサライにレンタル移籍。さらにシーズン途中にはクワラツヘリアをPSGに引き抜かれてもいる。クワラツヘリア退団後には、サイドアタックのキーマンとなっていたFWダビド・ネレスまで負傷。

さらに新たな守備の柱として獲得していたDFアレッサンドロ・ボンジョルノも、怪我で今季リーグ戦16試合を欠場した。マンチェスター・ユナイテッドから獲得したMFスコット・マクトミネイの大当たりがあったとはいえ、戦力は明らかに昨季王者インテルの方が上だったと言える。

今季は欧州カップ戦に出場していないため、スケジュール的には余裕があった。しかし昨季10位に沈んでいたチームを1シーズンで頂点へ導くあたり、コンテの手腕はさすがと言うしかない。奇跡的な偉業との評価も大袈裟なものではないだろう。

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