現在アストン・ヴィラを指揮するウナイ・エメリは、欧州カップ戦で特別な強さを発揮してきた。その主な舞台はヨーロッパリーグだが、セビージャ時代にはELを3連覇、さらに2020-21シーズンにはビジャレアルもEL制覇へ導いている。
まさに短期決戦のスペシャリストと言うことができ、今季はアストン・ヴィラをチャンピオンズリーグ・ベスト16まで導いてきた。
4日にはベスト16の1stレグでクラブ・ブルージュと敵地で対戦し、3-1で勝利。英『Squawka』はエメリがなぜ短期決戦のスペシャリストかが分かる試合運びだったと称える。
ブルージュ戦では前半3分にFWレオン・ベイリーのゴールでアストン・ヴィラが幸先良く先制したものの、10分後に追いつかれて1-1で前半を終了。後半が始まってからもペースを握ったのはホームのブルージュの方で、アストン・ヴィラの戦いぶりは決して印象的なものではなかった。
その流れを変えたのがエメリの交代策だ。64分にエメリは一気に4枚替えを決断し、FWベイリー、FWマーカス・ラッシュフォード、DFアクセル・ディサシ、MFジョン・マッギンの4人をベンチへ下げた。
代わりにMFジェイコブ・ラムジー、ブバカル・カマラ、DFマティ・キャッシュ、FWマルコ・アセンシオを投入。停滞気味だったチームにスイッチを入れる交代策だった。
エメリは敵地での1stレグということもあり、前半はセンターバックに入ることが多いディサシを右サイドバックで起用していた。それに代わってキャッシュがサイドバックに入り、攻撃参加の数が増加。交代で入ったアセンシオが中央へカットインすることで、キャッシュの攻撃参加が効いた。
さらに中央ではモーガン・ロジャースとアセンシオの連携も生まれ、アストン・ヴィラはそこから2ゴールを奪って3-1の勝利を収めた。敵地で先勝できたのは非常に大きい。
敵地での1stレグでまずは負けないことを意識し、60分が経過したところで攻撃のギアを入れる。こうした采配こそエメリが短期決戦に強い理由なのだろう。まだ2ndレグが残っているが、アストン・ヴィラが圧倒的に有利だ。ベスト8進出はクラブにとって大偉業だ。