ナーゲルスマンは「ドイツからの新しいオモチャ」 ポッター解任のチェルシーは結局何も変わっていないのか

解任されてしまったポッター監督 photo/Getty Images

我慢ができなかった

グレアム・ポッター監督の解任を発表したチェルシー。第29節アストン・ヴィラ戦に敗れ、今季全コンペティションでの11敗目を喫したところだった。

後任には早速さまざまな名前が挙がっている。候補筆頭は先日バイエルンを解任されたユリアン・ナーゲルスマンだという。

しかし、長期的なチーム構築を念頭に呼んだはずのポッターの任期は、あっという間に終わってしまった。契約では2027年6月まで。しかし『Daily Mail』紙のイアン・レディマン記者は、「それはなんの意味もなかった」とコラムで綴っている。
「新オーナーのトッド・ボーリーは、昨年9月に彼を雇うことを約束した。それはアブラモビッチの雇用と解雇の時代の終わりを告げるもので、今までとは違う、より持続可能なフットボールクラブを作るときだった。しかし、それは結局なんの意味もなかった。ドイツからピカピカの新しいオモチャが手に入るようになると、それらはなんの意味もなくなった。なんて、気が滅入るほどに短期的で近視眼的なのだろう」

チェルシーは短期的にうまくいかないとき、すぐに指揮官を解任する傾向があった。ロマン・アブラモビッチ前オーナーが就任して以降、最初に首を切られたのはクラウディオ・ラニエリ(2004年)。そこから4季以上、または200試合以上を指揮した監督は存在しない。そこから脱却するためのポッター招聘だと思われたのだが、チェルシーはまたも我慢ができなかった。

ポッターのキャリアをみれば、チーム構築に時間を要する監督なのはわかったはずだ。独特の攻撃サッカーを称賛されながらも、ブライトンでは19-20シーズンは15位、20-21シーズンは16位。ようやく昨季21-22シーズンに、9位と1桁順位に到達した。ビッグクラブで結果を出し続けてきたような監督ではなく、時間とともに選手やクラブに影響を与えていくタイプの指揮官であることは明らかだった。

スポーツである以上、勝利を追い求めるのは当然。そのために指揮官の首をすげかえ続けるのもひとつのやり方ではあるが、結局、チェルシーの体質はなにも変わっていないのだろうか。

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