水沼貴史です。熱戦が繰り広げられたカタールW杯の閉幕から早いもので3ヶ月……。2026年の北中米W杯へ向けて、ついに第二次・森保ジャパンが始動しましたね。中盤から前線にかけては顔馴染みの選手たちが多く招集されましたが、守備陣は新しい選手たちが多く選ばれました。今回の招集メンバーを見ると、後ろをフレッシュにしつつ、攻撃の部分でより自分たちが主体性を持ってやれるようにしようとしているのかなと思いました。最終的にはさまざまな世代の選手たちを融合させていくのかもしれませんが、世代交代にチャレンジしているのも見て取れます。そこで今回は、第二次・森保ジャパンにおいて、チームの主軸として私が特に期待している3選手に関してお話をしたいと思います。
1人目は、新たな選手たちが多く招集された守備陣の中で、チームを引っ張っていくことが期待される、いや、引っ張っていかなければならない存在であるDF板倉滉です。板倉は2021-22シーズンにドイツの名門シャルケを1部へ復帰させ、今季はボルシアMGへ加入して欧州5大リーグのトップリーグに挑戦。W杯前に負傷離脱する時期もありましたが、ここまでチームの主力としてリーグ戦16試合に出場しています。第21節のバイエルン戦では、絶対王者の撃破に貢献しました。
昨季のシャルケで自信をつけたことで、強豪がひしめき合うブンデスリーガでも堂々としたプレイを見せていますし、なんといってもその安定感が素晴らしい。若いころからビルドアップ能力や足元の技術に定評がありましたが、一方で守備面では少々「緩さ」が見られることもありました。しかし、最近は最後のところでしっかりと身体を張ったり、鋭い危機察知能力を発揮したりするなど、メンタリティの部分も含めてだいぶ変わってきたなと感じています。自分の立ち位置をしっかり理解し、責任感が芽生えてきていることも、プレイや振る舞いに大きな影響を与えているのかなと思っています。
また、代表活動でもカタールW杯では冨安のコンディション不良の影響もあったかもしれませんが、吉田・冨安のツーセンターバックのあいだに割って入り、しっかりと結果を残して高い評価を得ました。所属クラブではリーダー的な振る舞いも見せているのですが、それが今回の代表戦でも垣間見えました。実際にコロンビア戦ではキャプテンマークも巻きましたからね。北中米W杯までの残りの期間でどれだけ化けてくれるのかなと、期待しかありません。センターバックをやる選手は、代表で長い期間チームの中心として活躍する選手が多いです。板倉は現在26歳と、年齢的に見てもちょうど良いと思いますし、しっかりとポジションを掴んでいき、結果を残してもらいたいです。