W杯“冬開催”は正解だったのか リカバリー期間が短すぎて44%の選手が極度の疲労を感じたとも

4強に入ったクロアチアも疲労は相当なものがあったはず photo/Getty Images

W杯終了後にすぐクラブの戦いが再開

FIFAワールドカップの冬開催は成功か、失敗か。昨年の11月から12月にかけて行われたワールドカップ・カタール大会については、ファンや関係者の間で意見が分かれるだろう。

シーズン途中の開催となる冬の方がコンディションを整えやすいのではないかとの声もあったが、『FIFPRO』(国際サッカー選手会)の調査によればカタール大会に出場した選手のうち44%が大会後の負傷、あるいは極度の肉体的疲労を経験したという。

通常のワールドカップとの違いは準備期間だ。冬開催の場合はクラブで国内リーグやチャンピオンズリーグといった日程を消化し、途中で一度クラブの戦いをストップして各国代表へと選手が散っていく。リーグのスケジュールによって違いはあるが、欧州トップリーグでプレイしている選手たちはワールドカップ本番までに十分な時間を確保できなかった。これは代表チームの連携確認や、疲労の回復に影響を与えるものだ。
さらに大会終了後には、すぐクラブの戦いが再開した。準決勝や決勝まで戦った選手たちは遅れて合流したものの、それでも疲労回復に充てられる時間が極端に短かった。シーズンオフに行う夏開催のワールドカップとは異なるもので、選手のコンディションを考えれば一か月近くはオフ期間が必要か。

また、カタール大会ではアディショナルタイムを正確に計測していた。これは好意的な意見も多いが、試合によっては100分を超えることも少なくなかった。そのぶん選手たちの負担は増すことになり、このあたりもケアが必要となりそうだ。

カタール大会の冬開催は手探りの部分も多かったが、今後も冬開催をプランの1つとして検討していくのだろうか。選手に疲労が蓄積するのは問題で、今季は色々と考えさせられるシーズンとなっている。

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