アーセナルが今季ここまで好成績を残せた要因の一つに、夏の移籍市場での成功がある。ガブリエウ・ジェズス、オレクサンドル・ジンチェンコ、ファビオ・ビエイラと即戦力を獲得し、彼らはすでにチームに適応している。
とくにジェズスの獲得は大きかった。近年定まらなかったストライカーの枠に収まり、ここまでの全コンペティション合わせて15試合で5ゴール5アシストを記録している。リーグ戦ではトップスコアラーであり、得点源としてチームを支える。
ジェズスの強みは前線でのキープ力、推進力のあるドリブル、ユーティリティ性、献身的な守備と多岐にわたる。アーセナルの指揮官が元マンチェスター・シティのコーチ、ミケル・アルテタだったこともあり、アーセナルには即フィットした。そのため「なぜシティはジェズスを手放したのか」という意見が各地から聞こえてきた。
だがここ最近ジェズスの最大の弱点がアーセナルでも見え始めている。それが決定力不足だ。ここまで5ゴール5アシストと素晴らしい数字を残したが、アーセナルでの得点は10月1日開催プレミアリーグ第9節トッテナム戦にまで遡る。そこから6試合チャンスはあったが、決めきれなかったのだ。
英『The Telegraph』でもジェズスの以前からの欠点が新たなクラブで表面化してきていると指摘している。
前述した「なぜシティはジェズスを手放したのか」についてだが、この決定力不足が大きい。シティはストライカーに決定力のある選手を求めており、アーリング・ハーランドが獲得された。ジェズスはシティでセンターフォワードを任されていたが、その点を物足りないと感じシティは売却したのだ。もし十分な数字を持っていれば売却されることはなかっただろう。
同メディアではジェズスを「まだ完璧なフィニッシャーではない」と評価している。ジェズスに足りないものがあるとすればそれは継続してゴールを決められる決定力であり、ノッティンガム・フォレスト戦でのゴールに期待だ。