マンUにクロース、モドリッチはいない テン・ハーグは潰し屋カゼミロをどう活かす

マンU移籍が決まったカゼミロ photo/Getty Images

中盤で誰とユニットを組むのか

予想外の動きではあったが、マンチェスター・ユナイテッドがレアル・マドリードからブラジル代表MFカゼミロの獲得をまとめた。

今も世界最高の守備的MFの1人と言われる実力者だけに、この補強でマンUの中盤のクオリティは一段上がるはずだ。中盤の底で相手の攻撃の芽を潰すタイプとして、カゼミロは超のつく一流プレイヤーだ。

問題は、指揮官エリック・テン・ハーグがどうカゼミロを活かすかだ。中盤の守備力が上がるのはポジティブだが、カゼミロはそこまで展開力のあるプレイヤーではない。レアルではトニ・クロース、ルカ・モドリッチの両名が強烈な技術でゲームをコントロールしてくれるため、ビルドアップの部分を彼らに依存することができた。しかし、今のマンUの中盤に2人ほどのゲームメイカーはいない。
以前よりマンUは中盤からの展開力、チャンスメイク力が乏しいと指摘されてきたため、カゼミロの加入だけですべての問題が解決するわけではない。

やはり気になるのはクリスティアン・エリクセンか。今夏に加入したエリクセンは前節0-4で敗れたブレントフォード戦でも致命的なミスをしてしまうなど、マンUでのデビューはかなり苦いものとなっている。しかしカゼミロが中盤の底からサポートしてくれるならば、エリクセンの活かし方も変わってくるか。

またチームにはブラジル代表でコンビを組むことも多いフレッジがいる。このコンビは同じブラジル代表でリヴァプール所属のファビーニョをベンチへ追いやることも少なくないコンビで、テン・ハーグが2人の連携を活かせるなら面白い。

カゼミロのマンU移籍が成功するかどうかは、個人のパフォーマンスに加えて中盤でユニットを組む選手のクオリティによって変わるだろう。カゼミロの代わりにゲームを大きく展開できるプレイヤーを配置するのが理想的で、それこそテン・ハーグの教え子であるバルセロナMFフレンキー・デ・ヨングを獲得できれば申し分ない。

近年のマンUはチーム方針が定まらないところから補強がフィットしないことも珍しくないが、カゼミロはヒット選手となるのか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.291 究極・三つ巴戦線

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ