セリエA制覇に大きく貢献したトナーリ
インテルとの首位争いを制し、11年ぶりとなるセリエA制覇を成し遂げた今季のミラン。チームの中盤には昨夏にブレシアから完全移籍を果たした22歳の新星サンドロ・トナーリが君臨。今季は多くの試合でスタメン出場を果たした。
ミランで高いパフォーマンスを見せているトナーリは、イタリア代表でも地位を確立し始めている。今月の代表戦にも招集されており、イングランド代表戦を前に記者会見に臨んだ。
伊『calciomercato』によれば、トナーリはこの会見で今季の活躍などについて振り返ったようだ。そして現在アストン・ヴィラの監督を務めるイングランドの伝説的MFスティーブン・ジェラード氏との比較についてもコメントを求められた。
「彼の思い出は(イスタンブールで行われたCL)決勝戦だから、何も言わないほうがいいだろう。こういう意見に対して何か言えるだけ幸せだけど、今は自分自身と誰かを比べたくはない」
トナーリは子供の頃からミランを応援していた選手で、“イスタンブールの奇跡”が強く記憶に残っているのだろう。2004-05シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でミランとリヴァプールが対戦し、PK戦の末にリヴァプールが劇的な逆転勝利を成し遂げた試合だ。
この試合で大活躍を見せたのがジェラードだった。3点のリードを許して迎えた後半に反撃の狼煙となるヘディングゴールを決め、同点のPKも獲得。ミラニスタにとってジェラードは恐るべき存在なのだろう。
リヴァプールは2018-19シーズンにイスタンブールの奇跡以来となるCL制覇を成し遂げ、今季も準優勝を果たした。しかし、対するミランは2006-07シーズンを最後にビッグイヤーから遠ざかっており、そもそも2014-15シーズンから今季まで、CLに出場することすらできていなかった。
それでも今季のスクデット獲得を始め、近年ようやく復調の気配を見せているミラン。時間はかかっているものの、トナーリ擁するこのチームが再びCL決勝の舞台までたどり着く未来もそう遠くはないのかもしれない。