今ではマグワイアよりも評価が上? イタリアで充実したキャリアを送るローマDFの成功譚

ローマでは頼れるDFとしての姿を見せるクリス・スモーリング photo/Getty images

頼れる守備者として重宝されている

今季はセンターバックの人選が定まらなかったマンチェスター・ユナイテッド。昨季は素晴らしいパフォーマンスを披露したハリー・マグワイアはシーズンを通して絶不調であり、批判が集まってしまった。代役としてビジャレアルのパウ・トーレスを狙っているとの報道があり、来季はラファエル・ヴァラン、トーレスのCBコンビになっているかもしれない。このようにCBの人材難に悩んでいるユナイテッドだが、数年前にクラブを離れた守備者が今イタリアで躍動している。ローマのDFクリス・スモーリングのことだ。

2010年にフラムからユナイテッドに加わり、2020年までの10年間チームに所属していたスモーリング。コンスタントに出場機会を得ており、15-16シーズンには35試合のリーグ戦にフル出場している。しかし、マグワイアの加入もあってベンチ外が続き、ローマへ期限付き移籍を果たすことに。そこでは上手くイタリアのサッカーに馴染み、完全移籍後も主力として活躍している。

そんなスモーリングだが、ローマでは3バックの中央というポジションを確立している。ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝ではフェイエノールトと対戦しており、強固な守備を見せつけクリーンシートに貢献。見事優勝を掴みとった。データサイト『SofaScore』によれば4回のクリアに2度のタックル成功、シュートブロックは3回とまさに壁としてフェイエノールトの攻撃をシャットアウトしている。地上戦のデュエルも全勝と強度の高さを見せつけた。
試合後の各メディアからの評価は高い。英『Squawka』ではチーム最高点の9点を獲得。「デセルス(フェイエノールトFW)をマークし、彼を自由にさせなかった」。英『90min』でも最高点の8点で、「経験値の高さを生かし、相手の攻撃を防ぐ壁になった」と元ユナイテッドDFを大絶賛している。

ユナイテッドでは晩年評価を下げるも、イタリアの地で評価を高めているスモーリング。今彼がユナイテッドにいて起用されるかどうかは分からないが、自分を追い出したマグワイアより評価が高いのは間違いない。年齢を重ねるごとにプレイは洗練されており、今後もスモーリングに注目したい。

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