バルサで“メッシ以上”かもしれないと言われた才能 世界を転々とする35歳のキャリア

現在はMLSのLAギャラクシーでプレイするバスケス photo/Getty Images

カンテラ時代の評価は凄かった

バルセロナのカンテラ(下部組織)からは継続して優秀な選手が輩出されており、中でもFWリオネル・メッシは最高傑作だ。同じ世代にはセスク・ファブレガス、ジェラール・ピケらがおり、1つの黄金世代と言っていいだろう。

ただ、当時のカンテラではメッシにも負けぬ才能の持ち主と評されていた男がいた。学年ではメッシより1つ上となる現在35歳のMFビクトル・バスケスだ。

攻撃的MFとして高い能力を持っていたバスケスに関して、スペイン『Tribuna』はメッシ以上に評価されていたと振り返る。当時を知るセスクも、過去にはバスケスとメッシが特別な存在だったと語っていた。
「メッシとビクトルが僕たちのチームで最大の才能だったと記憶している。時に彼らは対決していたよ。一方が4ゴール決めたら、もう1人は5ゴールと言ったようにね」

バスケス本人も「周囲はメッシより僕の話をしていたよ」と語っていたことがあり、トップチームでバスケスとメッシの共演が実現していれば黄金期はもっと輝きを増したかもしれない。

しかし、バスケスは2008年に大きな怪我を負ってしまった。メッシがトップチームで本格的にエースとして活躍し始めたのに対し、バスケスはトップチームで3試合しかプレイできなかった。

そこからのバスケスはバルセロナを離れ、ベルギーのクラブ・ブルージュ、メキシコのクルス・アスル、アメリカのトロントFC、カタールのアル・アラビ、ベルギーのオイペンなど様々なクラブを渡り歩くキャリアとなった。

昨夏には再びロサンゼルス・ギャラクシーと契約を結び、アメリカ・MLSへ復帰。35歳の今も現役は続いており、今季もMLSでは6試合に出場している。期待通りのキャリアとはなっていないかもしれないが、2017年にはトロントFCの一員としてMLSで10得点11アシストを記録したこともある。大怪我さえなければとの思いもあるが、バスケスはまだMLSで頂点を目指して奮闘している。

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