気がつけば守備陣に欠かせない“最終ラインの番人”に ミランの緊急事態を救ったカルルの急成長

今ではミランに欠かせない存在となっているカルル photo/Getty Images

守備に安定感をもたらした21歳の新鋭DF

2021-22シーズンの中盤戦において、ACミランが抱えていた大きな問題点のひとつが“センターバック不足”だった。以前まで守備陣の核となっていたデンマーク代表DFシモン・ケアーを長期離脱で欠くこととなり、同クラブの最終ライン事情は非常に苦しくなっていたと言っていい。冬の移籍市場でも新戦力の獲得はなく、厳しい台所事情が続いていたのは間違いない。

しかし、そんなチームのピンチを救ったのは少々意外な存在だった。その名はピエール・カルル。それまではサイドバックの控えとして認知されていた選手だ。数年後にチームの主力となってほしい期待の若手。おそらく、今季途中までは彼に対してそのようなイメージを持っているファンも多かったことだろう。

だが、カルルは21-22シーズンに一気にチーム内での序列を上げることに成功した。年明けからCBのポジションで先発を果たす機会が急増した同選手は、今や単なる代役にとどまらない活躍を見せている。まだ21歳の選手ながら、局面ごとに下すプレイの判断は非常に的確だ。コンビを組むフィカヨ・トモリ(24)との相性も抜群で、彼らがコンビを組み始めてからミランの守備はより安定したと言えよう。カルルは直近のリーグ戦5試合で全てフル出場を果たしているが、その期間におけるミランの失点数が“ゼロ”ということからも鉄壁ぶりは窺い知ることができるはずだ。
シーズン途中まではサイドバックの控え選手だったものの、チームの緊急事態をキッカケに今ではミランに欠かせない存在となったカルル。この調子で今季ラストまでを戦うこととなれば、彼らは来季以降もCBの貴重な戦力としてカウントされることとなるだろう。ミランで急速に存在感を高めてきたU-21フランス代表DF。その成長からは今後も目が離せない。

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