まだ28歳と若いカリウスの未来は
すべては2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ決勝から始まったのだろうか。
レアル・マドリードがリヴァプールを3-1で撃破したこのゲーム以降、当時リヴァプールのゴールを守っていたGKロリス・カリウスには厳しい視線が向けられるようになった。この一戦では自身のスローイングしたボールをレアルFWカリム・ベンゼマに奪われて失点したり、FWガレス・ベイルのミドルシュートを処理出来なかったりと、ミスと言えるプレイがあったからだ。
そのゲームの約1カ月後、リヴァプールはローマから現守護神アリソン・ベッカーを獲得。これでカリウスは2番手以下に落ち、その夏にトルコのベシクタシュへ2年間レンタル移籍することになった。
続けて2020年夏にはウニオン・ベルリンにレンタル移籍したが、現状は変わっていない。カリウスはリヴァプールの構想に入っていないままで、最後にプレイしたのはウニオン・ベルリンにレンタル移籍していた昨年2月のことだ。
リヴァプールとカリウスの契約は今季終了後に切れる。クラブ公式によると、指揮官ユルゲン・クロップは現時点でカリウスがGK5番手に位置していると述べている。カリウスの頑張りは評価しているようだが、やはりアリソンの壁は厚すぎる。
「カリウスは何も間違っていないし、良い状態でトレーニングも頑張っている。彼は献身的だし、GKコーチも献身的だ。だが、シーズン開始前に我々は決断したからね。チームには複数のGKがいる。No.1はアリソン、2番手はケレハー、3番手はアドリアン、4番手はマルセロとね。すでに4人もGKがいるんだ。5番手GKを起用しなければならないシチュエーションは起きていない。クオリティの問題ではなく、我々は決定を下したんだ」
カリウスはまだ28歳とGKにしては若い方だ。クロップもカリウスの幸運を願っており、今夏には新たなクラブへ向かうことになるだろう。あのレアル戦以降は苦しいキャリアになっているが、カリウスのキャリアはどうなっていくのか。まだまだ評価を取り戻す時間は残されている。