モウリーニョ・ローマに必要な“遅攻のクオリティ向上” 浮上の鍵を握るポジションは

ローマが極めるべきは、ヴェレトゥ(中央)とムヒタリアン(右)を囮に使う攻撃だ photo/Getty Images

サンプドリアに対して苦戦

今季のセリエA前半戦を、10勝2分け7敗の6位で終えたASローマ。

昨年12月22日の第19節では、サンプドリアに1-1で引き分け。来季のUEFAチャンピオンズリーグの出場権獲得(今季のセリエA4位以内)に向け、手痛い取りこぼしとなった。

基本布陣が今季序盤の[4-2-3-1]から[5-3-2]に変わったローマに必要なのは、遅攻のクオリティ向上だ。
第18節では、ハイプレスを仕掛けてきたアタランタに対してロングカウンターを見舞い、4-1で勝利したものの、自陣後方やミドルゾーンで[4-4-2]の守備ブロックを敷いたサンプドリアには苦戦。自陣に引きこもる相手の攻略に課題を残した。

基本布陣[5-3-2]のローマの遅攻の鍵を握るのは、3セントラルMFの両脇で起用されている、ヘンリク・ムヒタリアンとジョルダン・ヴェレトゥによるフリーランニングだろう。

サンプドリア戦の24分では、ヴェレトゥが相手最終ラインの背後へ走り、相手の2ボランチの一角アルビン・エクダルを最終ライン付近へ連れて行くことに成功。

これによって生まれた中盤のスペースにFWニコロ・ザニオーロが降り、DFジャンルカ・マンチーニからの縦パスを受けた後にサイドへボールを散らした。このムヒタリアンとヴェレトゥのフリーランニングを囮にしたパスワークをより徹底すれば、自陣に引きこもる相手からも勝ち点3をもぎ取れるはずだ。

昨夏に赴任したジョゼ・モウリーニョ監督のもとで、今季のセリエA全20チーム中4番目に多い無失点試合(7試合)を達成しているローマ。

直近のリーグ戦でも最終ライン、中盤、最前線がコンパクトに保たれ、守備に安定感が生まれてきているだけに、シーズン後半戦で攻撃を改善できるかに注目だ。

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