バルサの最終ライン救うは“天才MF” デ・ヨングが見せるCBとしての可能性

CBとしての適性も見せるデ・ヨング photo/Getty Images

PSG戦に続き、ウエスカ戦でも最終ラインで先発

フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠といえば、本職のボランチだけにとどまらずセンターバックの中央、いわゆる“リベロ”として起用され選手としての幅を広げた選手の一人だ。読みを活かしたカバーリングや攻撃の起点となるフィードなど、ボランチ出身の長谷部ならではの能力がポジションを移しても活かされている。

今季のバルセロナでも最終ラインで起用され、その能力と可能性を感じさせる選手がいる。2019年夏にアヤックスから加わり2シーズン目を迎えたフレンキー・デ・ヨングである。

今季のデ・ヨングは新たに就任した同胞のロナルド・クーマンの元、絶大な信頼を寄せられている。セルヒオ・ブスケッツ、ペドリと組む中盤はバルサの新たなトライアングルとして定着しつつあった。しかし、ジェラール・ピケが負傷離脱を繰り返す今シーズンは最終ラインの守備やビルドアップの面で不安が見られ、指揮官のクーマンも様々な人選やシステムを試すなど試行錯誤を続けてきた。
そんな中でクーマンが最近の試合で試しているのが3バック導入とデ・ヨングのCB起用だ。オランダ人指揮官はチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグのパリ・サンジェルマン戦に続いて、現地時間3月15日に行われたリーガ・エスパニョーラ第27節のウエスカ戦でもデ・ヨングを最終ラインの真ん中で起用したのだ。

ポジショニングに優れ、後方からの長短のパスに加えてドリブルで前に持ち運ぶこともできるデ・ヨング。大胆さと賢さを兼ね備えるオランダ代表MFの特長を後方から活かすことで、バルセロナの攻撃面に新しいアクセントが加わる。ウエスカ戦では後方から試合を組み立てるだけでなく、機を見てゴール前に飛び出す動きを見せるなど、デ・ヨングならではの動きを最終ラインから見せその効果を感じさせた。

アヤックス時代や今季の前半戦もデ・ヨングのCB起用は見られた。しかし、このオランダ代表MFの本職はあくまでボランチやインサイドハーフといった中盤での起用が主だった。現在はピケが不在という側面もあるが、クーマンはCLや優勝争いに加わるリーガでの戦いでもデ・ヨングのCBを採用し一定の成果が出た。バルセロナの新しいオプションとして今後も使われる可能性は十分にあるのではないか。

中盤だけでなく最終ラインの真ん中としてもその才能を発揮するデ・ヨング。オランダが生んだ天才ゲームメイカーが見せるCBとしてのプレイにも注目したい。

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