30代からが“全盛期” 熟練戦士となった長谷部誠が変えるベテランのイメージ

今もトップフォーム維持する長谷部 photo/Getty Images

年齢だけでは決められない

ドルトムントの16歳FWユスファ・ムココなど、近年は10代でも欧州5大リーグで爪痕を残せる実力を持つ選手が増えている。より若い力が重視されるようになり、積極的に若手を起用しているクラブは称賛されることが多い。

しかし、ベテランも力を失ったわけではない。むしろ近年は食生活やトレーニングのメニューも進歩し、30代後半に入ってもトップパフォーマンスを維持する選手が増えている。以前は30代に突入すればベテランといった印象もあったが、30代後半でも若手と変わらぬパフォーマンスを披露できる選手も少なくない。

今季もミランの39歳FWズラタン・イブラヒモビッチ、ユヴェントスの35歳FWクリスティアーノ・ロナウド、レアル・マドリードの35歳MFルカ・モドリッチなど、力を発揮しているベテランは多い。
そしてそのリストに、フランクフルトで活躍を続ける36歳のMF長谷部誠も含めるべきだろう。今月18日に37歳を迎える長谷部は現在のブンデスリーガを代表するベテランプレイヤーで、まだ大きな衰えは見られない。むしろ経験を積んだことで、より完成度の高い選手になった印象すらある。毎試合フル稼働するのは難しいかもしれないが、重要なゲームで力を発揮することは可能だ。

2日にフランクフルトはレヴァークーゼンを2-1で撃破したが、守備的MFとしてフル出場した長谷部はチーム最多となる62回のボールタッチを記録するなど勝利に貢献。守備面でもチームトップタイとなる3回のタックルを成功させ、インターセプトも2回あった。

独『Kicker』のデータによれば、走行距離もMFジブリル・ソウ(12.8km)、MFフィリップ・コスティッチ(11.37km)に次いで3番目に多い11.29kmを記録しており、30代後半に入っても運動量は落ちていない。リベロだけでなく、守備的MFとしても戦っていけるだろう。

さすがにイブラヒモビッチやロナウドと同じ評価を得るのは難しいが、長谷部のプロ意識は彼らにも負けてはいないはず。フランクフルトの仲間からも実力は認められており、年齢で何かを決める必要はない。40歳になってもプレイすることは不可能ではなく、長谷部に関しては30代半ばからが全盛期と言ってもいいくらいだ。

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