CBを続けさせるのはもったいない アーセナルが一考すべき24歳の“左WB起用”

今季は左CBでの起用が主となっているティアニー photo/Getty Images

戦術の肝ではあるが

2020-21シーズン、昨季途中から就任したミケル・アルテタ監督の下で非常に興味深いサッカーを展開しているアーセナル。[3-4-3]をベースにしつつ、状況に応じて変化するシステマチックなサッカーは、見るものを非常に楽しませてくれる。ここまでなかなか結果を残せてはいないものの、うまくハマれば勝ち星は増えてきそうだ。

だが、そんなアルテタ式戦術のなかで、少々自分の強みを活かしきれていないように思える選手がいる。このシステムにおいて、3バックの左を任されているスコットランド代表DFキーラン・ティアニーだ。同選手の本職は左サイドバック。代表では同ポジションにリヴァプールDFアンドリュー・ロバートソンがいる関係でセンターバックもこなしているが、彼本来の力が生きるのは左サイドと言えるだろう。

もちろん、アルテタ監督もそのことは理解しているはずだ。実際、攻撃時のティアニーは左ウイングバックとして振る舞うようになっており、たびたび前線に顔を出す。しかし、どれほどこの可変がスムーズに行われたとしても、守備時にCBとしてプレイしていればトランジションの際に攻撃へ参加するまではどうしても時間がかかる。この点を英『football.london』も懸念しており、「ティアニーしかこの役割をこなせないのは間違いない。しかし、彼が最も活きるポジションでないのも事実」と綴っている。どうやら、同メディアもティアニーは左ウイングバックとして起用すべきと考えている様子だ。

ティアニーのスタッツも見てみよう。今季ここまでリーグ戦7試合に出場しているが、その中で同選手が記録しているドリブル成功率は66.7%、1試合あたりのパス成功率は82.0%となっている。どちらも悪い数字ではない。突破力に優れて、アタッカーへ確実にボールを渡すことができるティアニー。そして、最も注目すべきはこの男がCBながら1試合平均で1.0回のキーパスを供給しているという点だ。CBを基本ポジションとしながらも、攻撃参加時にティアニーはしっかりと味方に好機を提供している。彼に攻撃参加の機会をさらに与えれば、アーセナルのチャンスはかなり増える可能性が高い。

チームこそ違えど、それは先日行われた代表戦でも証明されたか。現地時間15日に行われたスロバキア代表戦で、ティアニーはスコットランド代表の左ウイングバックとしてフル出場して攻守にわたり躍動。0-1で敗戦こそしたものの、この試合で同選手が記録したキーパス数は両チーム中最多の「4」。ポジションを少し上げるだけで、ティアニーが決定的な場面を演出する回数は増えている。

先日はクラブOBのトニー・アダムズ氏も「ティアニーは左ウイングバックとして必要な能力を全て備えている」と話していたが、まさにその通りと言えるか。可変システムの肝と言えるティアニーのCB起用だが、23歳の能力を最大限に引き出したいのであれば、アルテタ監督は今一度その起用法を見直す必要があるのかもしれない。

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