マンチェスター・シティがもう昨季と同じような悩みを抱えることはない。そんなことを感じさせるほど、今夏同クラブが確保した25歳の守備者はどのポジションでもハイレベルに仕事をこなす。まだ絶対的レギュラーとまではいかないが、今後DFネイサン・アケは随所でシチズンズを救う存在となるかもしれない。
マンCにとっては念願のセンターバック補強となったものの、獲得当初は同じ左利きのアイメリック・ラポルテとポジションが被ることもあり、周囲から「一体どこで使うのか」との声も挙がっていたアケ。しかし、そんな周囲の心配をよそに、このDFはチームのあらゆる穴をカバーできる存在となりつつある。そう主張するのは、元イングランド代表MFオーウェン・ハーグリーブス氏だ。
同氏がそのように考える理由が、アケの持つハイレベルなユーティリティ性能。本職とするCB以外に、アケは左サイドバックとしてもプレイ可能で、リーグ戦第4節のリーズ・ユナイテッド戦ではさっそく71分からバンジャマン・メンディとの交代で同ポジションにおける出場を果たしている。複数ポジションを高いレベルにこなせる選手というのは、強いチームに必ずと言っていいほど存在するもの。そういった点でアケはマンCに必要な補強だったと、オーウェン・ハーグリーブス氏は英『Sky Sports』へ熱弁を振るう。
「アケは本当に優秀な選手だ。チェルシー時代には中盤もこなしていたが、昨季は主にCBとしてプレイした。それでいて左SBとしてもプレイできるというのだから素晴らしいね。オランダ代表でも良い経験を積んでいるし、シティの守備陣にとって大きな存在となるはずだ。全ての試合でスタメンに名を連ねることはないかもしれないが、チームに欠員が出た際に彼ほど頼りになる選手はいない。CLで優勝したユナイテッドを思い出してみても、ダレン・フレッチャー、ウェス・ブラウン、ジョン・オシェイ、パク・チソンといった選手がいた。強いチームには彼のような存在がいるものだよ。シティがリーグ優勝するために、アケは絶対に必要だと思う」
絶対的存在とまでは言えないが、チームの痒いところに手が届く選手としてアケはマンCに多大な貢献を果たすはずとハーグリーブス氏。ジョゼップ・グアルディオラ監督の要求に耐えうるだけのテクニックを備え、昨季離脱者が出たポジションを一人で補うことができる。たしかにそういった点を考慮すれば、アケの獲得はマンCにとって非常に大きな意味を持つ取引だったと言えるだろう。
マンCに今季加わった“最終ラインの何でも屋”。今後負傷者が出ないことを祈るばかりだが、たとえ万が一の事態が起きても今季はアケがその穴を完璧に塞いでくれるはずだ。