レアルの20歳は遂に“スコアラー”として覚醒する 身につけた冷静な状況判断

レアルのヴィニシウス photo/Getty Images

ドリブル突破だけとは言わせない

白い巨人の若きアタッカーは今後のさらなる成長を遂げていくこととなりそうだ。レアル・マドリードに所属する20歳のブラジル代表FWヴィニシウス ・ジュニオールが、新たな武器を身につけ始めている。

2018-19シーズン途中に当時チームを率いていたサンティアゴ・ソラーリ暫定監督の下でブレイクを果たしたヴィニシウス。以来、ジネディーヌ・ジダン監督の下でも一定の出場機会を得ており、まだ20歳にして完全にレアルの主力選手となっている。ボールを持ちながら前を向けば、相手DFにとっては間違いなく脅威。ドリブル技術はチーム屈指のレベルにあり、“ネイマールの後継者”とも称される突破力は非常に魅力的だ。

しかしその一方で、もう少し改善をと周囲から指摘されてきたのがゴール前での決定力だった。いくら突破力に優れていようとも、アタッカーならばやはり最後の仕上げに優れていなければならない。昨季は公式戦38試合に出場して5得点。なかなか目に見える結果を残すことができず、主力ではあるが完全なるレギュラーではないという境遇に陥っていた。
だが、今季はそんなヴィニシウスの得点力不足が解消されつつあるのか。2020-21シーズンに入ってから、同選手は3試合の出場で早くも2ゴールを挙げている。第3節のバジャドリード戦と第4節のレバンテ戦で決めた得点は、いずれもルーズボールをしっかりと収め、冷静に状況を判断して放ったシュートをゴールへ流し込んだものだった。最大の持ち味であるドリブルからの一撃でこそなかったものの、スコアラーとしての成長が十分に見て取れる2得点だったと言っていいだろう。

「今日のゴールは、流れてきたボールをうまくコントロールすることができた。ボールを良い位置に置けたおかげで、どこにシュートを打つか冷静に判断することが可能だったんだ」

レバンテ戦のゴールについて、ヴィニシウスはこのように振り返っている。トラップによってシュートまでの時間を稼げたこともたしかに大きいだろう。とはいえ、バジャドリード戦の得点も見るに今季は彼自身の状況判断速度も上がっているように映る。この調子を継続できるならば、今季のヴィニシウスはリーグ戦での二桁得点も夢ではないだろう。

決してドリブルだけではなくなってきたレアルの20歳。はたして、ヴィニシウスは2020-21シーズンにどこまでその得点数を伸ばしてくるか。フィニッシュワークに成長が見られるヤングタレントは、いよいよスコアラーとしての才覚を発揮しようとしている。

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