アタランタの指揮官を務めるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が、イタリア国内の悲惨な状況を改めて目の当たりにし、心苦しい胸の内を明かしている。
アタランタは10日、チャンピオンズリーグ・ラウンド16の2ndレグでバレンシアとアウェイで対戦。世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響で無観客による開催となったが、計7発のゴールが飛び交う壮絶なシーソーゲームを4-3で制し、2連勝(2戦合計スコア:8-4)で次のステージへコマを進めた。
クラブ史上初のCLベスト8を手土産に、11日にイタリアへ帰国したアタランタの選手やコーチ陣、スタッフ。本来ならば大勢のファンから帰国を大歓迎されていただろう。しかし、イタリアではスペイン以上に新型コロナウイルスの感染者が拡大しており、4月上旬までスポーツイベントが禁止されたり、移動制限の異例措置が取られたりしている。こういった状況もあり、お祭りムードどころではなかった。
伊『Corriere dello Sport』のインタビューに応じたガスペリーニ監督は「疲れたね。我々は午前3時半ごろにイタリアへ帰国した。着いたらすぐに気づいたよ……」と話し始めると、次のようなコメントなどを残したという。
「ひどいとわかってはいたが、現実がここまでとは思っていなかった。4日前の世界(イタリアを飛び立つ前)、月曜日に見た別の世界(バレンシア)、そして今日見たもう一つの世界……。今日、我々は何をすべきかわからない。トレーニングをしようと思っているけど、あまり頼りにはしていない。簡単ではないけど、適応していくつもりだ」
「みんなと同じように今後については全くわからない。セリエAは続けられるのか? またプレイできるようになるのか? それは疫病神のようなもの。我々の人生を、みんなの人生を変えている。イタリアはよその国に比べて20日は先に進んでいる。この悪夢の終わりを誰も予想できないだろう。救急車のサイレンだけが鳴り響いている」
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