リヴァプールの中盤において求められるのは攻撃力よりも守備力か。彼らのプレイスタイルの特徴はインテンシティの高さだ。リヴァプールの攻撃は「縦に速く」を基本姿勢としており、いかに奪ってからすぐサディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーの強力3トップにボールを渡せるかがカギとなってくる。それを実現するため、中盤には運動量とボール奪取力に優れた選手が求められる。
しかしそのタスクを強いるがあまり、ユルゲン・クロップ監督は選手の可能性に制限をかけてしまっているのではないか。そう主張するのはクラブOBのスティーブン・ウォーノック氏だ。同氏は特にジョルジニオ・ワイナルドゥムがまだ持てる能力を発揮しきれていないと指摘し、英『BBC』に対して次のように語っている。
「ワイナルドゥムには攻撃的な選手としてまだやれることがあると思う。彼はすでにリヴァプールの中盤における主力選手としての地位を確立しているが、オランダ代表でのように自由を与えればもっと相手にとって脅威となるだろう。リヴァプールは昨季それを垣間見たはずだ。チャンピオンズリーグ準決勝のバルセロナ戦で、彼はタイミングよくボックスに侵入し2ゴールを挙げた。だけど、クロップがなかなか彼に自由を与えない理由も理解できる。彼を前に出せば、それだけ守備面でのリスクが増大するからね」
リヴァプールにおける得点ペースはおよそ8試合につき1点というワイナルドゥム。しかし、ロナルド・クーマン監督が就任して以降のオランダ代表ではおよそ2試合に1点のペースで得点を量産している。打点の高いヘディングや強烈なミドル、その得点パターンの多彩さはストライカー顔負け。この特長をリヴァプールでも有効活用してほしいとウォーノック氏は考えているようだ。
はたして今後、このオランダ代表MFがクラブでも高い得点力を発揮する日はやってくるか。監督に求められるようにそのプレイスタイルを変化させるワイナルドゥム。強力3トップが健在のうちは、今のスタイルを継続ということになりそうだが。
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