今夏PSGの”地味補強”が熱い! チームをCL上位進出へ近づける実力者の存在

CL制覇を狙うPSG photo/Getty Images

ビッグネームの獲得なくともチームは強くなる

2015年のMFアンヘル・ディ・マリア獲得、2016年のMFユリアン・ドラクスラー獲得、2017年のFWネイマール&キリアン・ムバッペ獲得に比べると、今夏のパリ・サンジェルマンは静かな夏を過ごしている。大きな話題を呼んでいるのはネイマールの去就問題で、お得意の大金をかけた補強はまだ実現していない。

一言で表現するならば今夏のパリは地味だが、この「地味さ」こそ長年パリに欠けていたものでもある。チームにはネイマール、ムバッペ、エディンソン・カバーニ、マルコ・ヴェッラッティなどスタープレイヤーが集まっているが、これまでのチームには縁の下の力持ちと言える泥臭いタイプの選手が不足していた。今夏はそうした陰の仕事をこなせる実力者を積極的に獲得しているのだ。

中盤ではマンチェスター・ユナイテッドを退団したアンデル・エレーラをフリーで獲得し、さらに今年の冬にもターゲットに挙がっていたエヴァートンMFイドリッサ・ゲイェの獲得にも成功した。エレーラはマンUでもポール・ポグバのサポート役を務めていたように、攻守両面でハードワークできるファイタータイプのMFだ。この実力者をフリーで引き抜けたのは非常に大きい。

ゲイェはプレミアリーグであのエンゴロ・カンテと比較されるなど、高い評価を得てきた守備的MFだ。ボール奪取を得意としており、ハイレベルな守備的MFこそパリを指揮するトーマス・トゥヘルが昨季から求めてきた人材なのだ。今年の冬にゼニトから獲得したアルゼンチン代表MFレアンドロ・パレデスも中盤の底からボールを配給できる実力者だ。これでパリはボランチにヴェッラッティ、ゲイェ、エレーラ、パレデスと信頼できるMFを4枚揃えることができた。昨季はセンターバックを本職とするマルキーニョスをボランチで起用するなど工夫を施していたが、今夏の補強でそうした奇策を採用する必要もなくなったと言える。

そして最終ラインでは、ドルトムントからアブドゥ・ディアロの獲得に成功。ディアロは23歳と若い選手だが、センターバックと左サイドバックの両方を担当できる貴重なレフティーだ。昨季期待の若手プレスネル・キンペンベのパフォーマンスが怪しかったことを考えると、ディアロを加えることができたのは大きい。チアゴ・シウバとマルキーニョスのブラジル代表コンビは今季も健在だが、ディアロは守備固めの際に左サイドバックへ入れることもできる。センターバックにも厚みが生まれ、最終ラインのオプションも確実に増えている。

ネイマール、ムバッペ、カバーニの超強力3トップに加え、ディ・マリア、ドラクスラーを擁するパリはほとんど攻撃面で補強すべきエリアが存在しなかった。彼らに求められていたのは守備の補強で、今夏は中盤から最終ラインにかけて実力者を引き抜くことに成功した。超ビッグネームと言える補強はないが、チームは確実に強化されている。昨季まではチャンピオンズリーグの舞台で上手く守れないことが足を引っ張っていたが、今夏の補強で攻守のバランスが一気に改善された印象だ。

仮にネイマールが退団すれば痛手となるが、パリでは王様の座がムバッペのものとなりつつある。ムバッペこそ最大のキーマンであり、昨季もムバッペを中心としたサッカーに着手していた。しかも今夏にはセビージャからMFパブロ・サラビアも獲得しており、ドラクスラーやディ・マリアらと合わせてネイマールの穴を埋めていくことも不可能ではないはず。

毎年恒例のようになっていた超大型補強は実現していないが、エレーラやゲイェの加入によってチャンピオンズリーグ上位進出の可能性は高まったと言えるのではないか。2017-18シーズン、2018-19シーズンはともにベスト16で敗れており、これはクラブが求めている結果ではない。最低でもベスト4まで駒を進めたいところで、中盤の守備と最終ラインを厚くしたパリが欧州の舞台でどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。

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