サッカーの基盤を作る必要あり
イタリアサッカー界のレジェンド、ジャンフランコ・ゾラ氏が、母国代表の現状について口にした。
名門ACミランの黄金時代を牽引したチームの『バンディエラ』であるパオロ・マルディーニ、その魔法のパスで『マエストロ』や『レジスタ』と言われたアンドレア・ピルロ。多くのファンを魅了してきた『ファンタジスタ』のロベルト・バッジョやアレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティなど。かつてイタリア代表には、世界を代表するようなスーパースターたちがたくさんいた。しかし、現在はその数が減り、ロシアW杯の欧州予選で大苦戦。結果的に、60年ぶりに予選敗退という屈辱を味わうこととなった。
伊『Gazzetta dello Sport』のインタビューに応じたゾラ氏は「我々はW杯を逃した。これが現実だ」と述べた上で「私が思うに、決して無駄な時間などではない。これは再構築する時期だ。ハイレベルに戻るために、サッカーの基盤を作る必要がある」と語った。
一方で「紛れもない事実が1つある」と切り出すと、「我々には、ワールドクラスのプレイヤーがいない。これは、のちに問題となる可能性がある。イタリアには(ロレンツォ)インシーニェや(シモーネ)ヴェルディといった才能ある選手がいるが、彼らは代表チームで自分の居場所を見出すことができていない。つまり、タレントが不足しているんだ」とも話している。
さらに、その原因について「私が思うに、サッカーの基本要素は2つ。ユースチームとアマチュアチームだ。彼らは才能を成長させることではなく、結果に焦点を当ててしまっているため、今のユースチームには外国人プレイヤーがたくさんいる。そしてアマチュアチームも、経済的な問題と厳しい規則でボロボロだ。なぜU-18で強制的に居場所を与えないのか。21歳から25歳の間で、機会を削ってしまうのか。成長に時間がかかるプレイヤーは、もはやチャンスを得られない」と自身の見解を示した。
将来の活躍が期待される若き逸材が豊富なイタリア代表。ただ、彼らはまだまだ発展途上だ。うまく若手にチャンスを与え、チームを再建することができるのか。